阪神・佐藤輝 甲子園CS開催決めた!大逆転2位確定打 ドラ1クリーンアップ打点そろい踏み無傷12連勝
「阪神7-6DeNA」(29日、甲子園球場)
連覇は逃したが、2年連続日本一の可能性がある。阪神・佐藤輝明内野手(25)が1点を追う七回2死一、二塁から、左翼線に決勝の2点適時三塁打。4点差を逆転する一挙5得点のフィナーレを飾った。2試合を残して2位が確定し、CSファーストSの本拠地・甲子園開催が決定した。忘れ得ぬ悔しさ。雪辱に向けて力を結集する。
連覇の可能性がなくなっても、勝利への執念は消えていない。佐藤輝は虎に傾いた一瞬の流れを逃さなかった。「逆転のチャンスだったので、ひと振りで決めるという思いで打席に向かいました」。起死回生の逆転打。甲子園でのCSファーストS開催を導いた。
4点ビハインドの七回。3点を奪い、なおも2死一、二塁で出番を迎えた。「コースなりに打てたと思います」。1ボールから伊勢の外角フォークをコンパクトに捉えて流し打ち。左翼の筒香は懸命のダイビングキャッチを試みたが、白球は芝生に弾んだ。
一気に二塁を駆け、大胆に三塁へヘッドスライディング。ユニホームを黒くし、スタンドからの大歓声を一身に浴びた。気迫全開。「その気持ちは始まった時から、今も変わらずにやっているつもりです」。どんな時でも勝つために感情をむき出しにした。
強烈なスイングから放たれる豪快なアーチが魅力。プレースタイルが故に感覚派と思われるが、理論派な一面を持つ。チームメートの小幡が明かす。「打撃のことを聞いたら的確に答えてくれる。輝さんは考えてるんですよ」。質問に対して、曖昧な回答はしない。自身の経験や知識に基づき、誰にでも手を差し伸べていた。
ドラ1クリーンアップの打点そろい踏みは今季12度目で無傷の12勝。「つないで、理想だったと思います」。七回は大山の適時打に続いた。集中力を保ち、一気に試合をひっくり返せるのが強打者の証し。短期決戦でもこの勝負強さが鍵を握る。
神宮では優勝を逃したが、まだ戦いは終わっていない。意地の逆転勝ちで2位決定。CSファーストSを甲子園で開催できることになった。「今できるベストをやっていきたい」。当然、DeNAが相手になる可能性もある。強力打線に打ち勝ったことも「良かった」と胸を張った。
チームは連敗を「3」で止めた。残り2試合、30日はレギュラーシーズンの甲子園最終戦になる。どんな時でも、熱狂的に応援してくれるファンへ恩返しもしたい。「すごいいい状態だと思います。あと2試合、まずは頑張りたい」。V逸は引きずらない。日本一という次の目標へ突き進む。
◆ドラ1クリーンアップ打点そろい踏み 森下、大山、佐藤輝のドラ1クリーンアップがそろって打点を記録した試合は今季12戦全勝。また、セ・リーグ最多となる今季28度目の逆転勝利。4点差からは今季最大タイで、7月7日・DeNA戦以来となる今季2度目。