阪神・湯浅 難病から復活へのモチベーション 戦力外の親友・岩田と“競投”「楽しみにリハビリ頑張りたい」

 岩田(左)と話す湯浅=1日(撮影・北村雅宏)
 復活を目指し黙々とトレーニングに励む(撮影・北村雅宏)
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 8月末に「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化切除術」を受けた阪神・湯浅京己投手(25)が2日、来季の戦力構想外となった親友・岩田将貴投手(26)との“競闘”を目指し、復活へのモチベーションとすることを誓った。自身の2年後に入団してきた1歳上の岩田とはすぐに意気投合した。1日の鳴尾浜での抱擁は長い時間をともに過ごしてきた2人の絆を感じさせた。地道なリハビリ生活を乗り越えて「投げ合い」の約束を果たす。

  ◇  ◇

 構想外が通達された1日の朝、湯浅は鳴尾浜で親友を出迎えた。前日、岩田から電話を受けて言葉が出ないほど号泣したこともあり、直前まで会うことを悩んでいた。それでも車が見えた瞬間に「一番に会うなら自分でしょ」と歩き出した。車を降りた岩田と真っ先に抱擁。互いに涙が止まらなかった。「ありがとう。まだ終わりじゃないし頑張ろって」。最初に出た感情は感謝と前向きな思いだった。

 一番の思い出は意外にも思いつかなかった。「一緒におりすぎて。基本何するにしても一緒にいたから」。岩田が入団してからすぐに打ち解けた。「先輩やけど先輩じゃない感じ。隠し事もないし、お互いのことほとんど知ってる」と信頼を寄せ「なんでもしゃべれる関係ってなかなか何人もいるもんじゃない」。先輩後輩の壁を越えた唯一無二の友情が育まれていた。

 同じ時間を過ごしていた大きな存在が当たり前ではなくなった。湯浅自身もチームと別メニューをこなし、野球が“当たり前”ではない環境にいる。身体の違和感に悩んで手術を受け、毎日懸命なリハビリ生活。1カ月と少したった最近では、キャッチボールの距離を伸ばしたり、ウエートを取り入れたりして「毎日筋肉痛」と悲鳴を上げながらも、順調に回復する姿を見せている。

 つらい時期をともに乗り越え「(岩田と)同じ試合で投げられる可能性もまだゼロじゃない。それを楽しむモチベーションに、これからもリハビリを頑張りたい」と湯浅。2人の関係はこれからも続いていく。「連絡はこれからも取り合うと思うし、刺激し合いながらやっていければ」。急がず焦らず、岩田への思いを胸に歩みを進める。

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