岡田監督 CS前哨戦快勝で阪神監督552勝目 ハマスタに響く岡田コール!下克上突破&日本一での花道へ
「DeNA1-3阪神」(3日、横浜スタジアム)
岡田阪神はCSファーストSで対戦するDeNA相手のレギュラーシーズン最終戦を白星で締めくくった。今季限りでの退任が明らかになった岡田彰布監督(66)の取材対応はなかったが、試合後のスタンドからは大音量の「岡田コール」が沸き上がった。シーズンは2位で終えたが、まだ日本一への道は残されている。CSを勝ち上がり、日本シリーズも制して、有終の美を飾りたい。
虎党から感謝の声が降り注いだ。レギュラーシーズン最終戦を終えた横浜スタジアムで、岡田監督ら首脳陣と選手が左翼席へあいさつに向かった。スタンドには「岡田監督ありがとう」のボードを掲げるファンもいた。
「六甲おろし」の大合唱の後、「頑張れ、頑張れタイガース」のコール。続いて盛大な「岡田コール」が湧き起こった。DeNAファンも「岡田コール」に合わせ、敵地は割れんばかりの声援に包まれた。敵地を包んだ温かな雰囲気に虎将は手を上げて応え、名残惜しそうな表情を浮かべてグラウンドを後にした。
この日、岡田監督の今季限りでの退任が明らかになった。チーム内にも衝撃が走り、多数の報道陣が集まる中、指揮官は言葉を発することなく球場入りした。試合前の練習ではグラウンドやベンチで選手の状態をチェックするのが通例だが、ベンチに一瞬、顔を出しただけ。ただ、シートノックでは時折笑みを浮かべながら選手を見守った。
既に2位でのクライマックスシリーズ(CS)進出が決まっていたが、岡田監督は「消化試合じゃないよ」と強調していた。相手はCSファーストSで対戦するDeNA。先発したケイは第3戦までもつれた場合、再戦の可能性が高い。“CS前哨戦”と位置付けた今季最終戦をしっかりと勝利で締めくくった。
五回に四球と相手失策が絡んで無死満塁の好機をつくると、大山が一塁線を破る2点適時打を放った。さらに佐藤輝の犠飛で追加点。相手のミスに乗じ、そつなく得点を重ねる強者の野球そのものだった。先発の大竹は5回無失点で自身初の規定投球回に到達し、最後は石井がプロ初セーブを挙げた。2年間で岡田監督が見いだした投手たちが白星を届けてくれた。
143試合を走り抜き74勝63敗6分け、貯金11の2位で2年連続で2桁貯金を達成した。まだ2年連続日本一への道は残されている。試合後の取材対応はなく、無言のまま帰りのバスに乗り込んだ。球団史上初のリーグ連覇に手は届かなかったが、阪神監督として挙げた通算552勝は歴代最多。岡田監督の残した功績が色あせることはない。