【井川慶氏の眼】阪神 セ・リーグでトップのDeNA打線、オースティンを好機で回すな 広い甲子園は圧倒的に有利
球団史上初のリーグ連覇を逃した阪神が、12日から始まるCSファーストS(甲子園)で2年連続日本一を目指す。相手はDeNA。今季の対戦成績は13勝11敗1分け、甲子園でも5勝4敗と接戦を演じている。巨人が待つCSファイナルSに向け、デイリースポーツ評論家・井川慶氏が関門突破への金言を送った。
◇ ◇
個人的には、DeNAの打線はセ・リーグでトップじゃないかなと思っています。その中であえて一人、警戒する打者を挙げるのであれば、オースティン選手でしょうか。打率も残していて長打もある。一昨年、昨年と良くなかったですが、それが元通りになったと言いますか、非常にいい打者ですし、チャンスで回さないようにすることが大事でしょう。
ただ、阪神とすれば甲子園で試合ができることは圧倒的に有利ですね。DeNAと対戦する上で、怖いのは横浜スタジアムでの対戦だったので。広い甲子園であれば乱打戦になる確率が低いですし、当日の風を見ながらにはなりますが、よりインサイドも攻めやすくなるので。
あとは短期決戦ならではの戦いの部分でしょうか。まずチームとしての投手起用を考えると、先発投手が崩れた場合、シーズンとは違って引っ張ることがなくなると思うので、そこの見極めですよね。
投手個々のピッチングで言うと、勢いに乗る打者を出さないようにできるかどうか。ファーストSは早ければ2試合で終わりますが、仮に1打席目に打たれた選手に対しては、2打席目に力を入れて抑えにいかないといけない。複数安打を打たれてしまうと勢いに乗ってきますし、その試合だけでなく翌日の試合にも影響してくるもの。つぶすべきところは、しっかりとつぶすという意識が大事だと思います。