新人の14年に日本S経験-阪神・梅野「最高の仕事を」 昨年は骨折でCS&日本S出られず
阪神は12日から「2024 JERA クライマックスシリーズ セ ファーストステージ」を戦う。ポストシーズンに活躍する選手の代名詞「ミスター・オクトーバー」になるのは誰か。トラ番記者がイチ推し選手を紹介する企画の第2回は、新人だった2014年にソフトバンクとの日本シリーズを経験した梅野隆太郎捕手(33)を取り上げる。
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レギュラーシーズン2位から日本シリーズ進出を果たした14年。当時1年目の梅野はCSで出番はなかったが日本シリーズの第2戦(甲子園)で九回の守備から出場。2死一塁で二盗を試みた松田を正確な送球で刺した。「深呼吸すら苦しく感じるくらい緊張感があった」。ルーキーとして貴重な経験をしたからこそ「勝ち」へのこだわりが強くなった一戦だった。
再び大舞台を目指す戦いが始まる。昨年は8月13日のヤクルト戦で死球を受け、左尺骨の骨折で戦線を離脱。CS、日本シリーズの出場はかなわなかった。人一倍悔しさを感じた分、今年のポストシーズンにかける意気込みは強い。「またみんなとこうやって戦うことはすごくうれしく思うし、熱い戦いをやるために気持ちを高ぶらせていきたい」とうなずいた。
新人だった10年前と立場は変わった。技術も経験も積み重ねてきた自信もある。「球場が(選手を)のみ込むような雰囲気になる」とファンがいつも以上の盛り上がりを見せるが、心は熱く頭は冷静に臨む。「九回に3アウト目を取るまで本当に野球って分からない」。今まで以上に気を抜けない試合を心待ちした。
12日からCSファーストS・DeNA戦に臨む。「まずは目の前の一戦」。今季は打率・209ながら、9月は今季の月間最高打率・256と上がり調子。ただ、「どんなヒットでも内野ゴロでも最低限の仕事やけど最高の仕事をしたい」とチームの勝利のために、個人的な結果よりも内容にこだわっていく。
短期決戦でのポイントは「守り勝つこと」。“岡田野球”を体現することをカギに挙げた。「粘り強く1点を防ぐ野球を」。11年目のベテランが攻守でチームを引っ張る。(デイリースポーツ・和泉玲香)