阪神・前川 いざ東撃ち 左腕でも岡田監督「行くよ」CSスタメン決定 シート打撃で岩崎相手に痛烈リハ

 阪神の前川右京外野手(21)が8日、甲子園球場での全体練習で行われたシート打撃で岩崎優投手(33)から右翼線二塁打を放った。12日のCSファーストS・DeNA戦(甲子園)はエース左腕・東の先発が濃厚だが、岡田監督は「前川で行くよ」とスタメン出場を明言。期待の若虎が東撃ちでチームに勢いをもたらす。

 予行練習はバッチリだった。前川が虎の守護神の岩崎から痛烈な一打。観客もいない、静かな甲子園に甲高い快音が響いた。「球を見られたので良かったです」。12日のCSファーストS・DeNA戦(甲子園)の相手先発は左腕の東。これ以上ない、実戦練習となった。

 2球続けてボールとなって、内寄りの直球だった。クルッと体を回転させて、鋭い打球は右翼線へ。「昨日は2回とも詰まったんで、ちょっと前で打とうと思って」。7日のシート打撃は村上を相手に三邪飛と一ゴロ。すぐに修正できるのも右京の強みだ。

 岩崎とは2度目の対決だった。22年3月8日の鳴尾浜。まだ新人の頃に初対戦し、左翼フェンス直撃の二塁打を放った。あれから2年。岩崎が成長を証言した。「あんまり肩が(開かなくなった)。そんな感じです。ちゃんと左投手にも対応できる」。去り際には「前川選手に期待したいです」と大声で宣言した。

 その期待感は岡田監督も同じだった。囲み取材こそなかったが、練習終わりに「前川で行くよ」とCS初戦のスタメン出場を明言。この日は桐敷との対戦でも強烈な遊直を打ち、左腕でも対応できている。実際にシーズン打率は右投手に・268、左投手に・271と打席数は違うが、遜色ない数字を残している。

 前川自身も左投手への悪いイメージはない。「開かない、それだけはちゃんと気をつけてやっています」。岩崎の言葉通り、左腕との勝負で体が開かないことは最重要ポイント。1戦目の東を攻略できれば、2戦目は今季10打数無安打のジャクソンだが好イメージで臨めそうだ。

 東とは初対戦になる。「制球力も良く、追い込んでからのチェンジアップもすごいイメージ。1球で仕留められるかが大事になってくる」。何球も甘い球が来ないことは当たり前。いかに、1打席で狙い球を打てるかが鍵となってくる。

 今季は開幕から1軍にフル帯同し、飛躍の一年になった。ポストシーズンは初の経験。「別に今日が全てじゃない。明日から、もう一回ちゃんとしたい」。前川が東を打てば、ファーストS突破への明るい光が見えてくる。

 ◆前川対左投手 今季、左投手が先発した試合での先発出場は6月6日(楽天・藤井)が最初で、以降計8試合。全左投手に対し48打数13安打、1本塁打、9打点、打率.271と対右(.268)を上回る。

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