阪神・岡田監督 “岡田節”封印笑いなし「1年間の総決算。最後の最後まで全力」 12日、CS開幕

 今季限りでの退任が決まっている阪神の岡田彰布監督(66)が11日、甲子園球場で「2024 JERA クライマックスシリーズ(CS) セ」の共同記者会見に出席し、12日から開幕するCSファーストステージ(S)のDeNA戦に向けて意気込みを語った。最後の戦いに挑む指揮官は“岡田節”を封印。「1年間の総決算。最後の最後まで、ゲームがある限り全力でいいゲームをしたい」と気持ちを込めた。

 思いのこもった言葉を紡いだ。会見の最後に意気込みを問われた岡田監督が静かに口を開いた。

 「この1年間の総決算。いいところも悪いところもあったが、とにかく今のチームでね、最後の最後まで、ゲームがある限り全力で、いいゲームをしたい」

 岡田監督にとっても「総決算」となる。レギュラーシーズン終了後の6日に今季限りでの退任が発表された。12日に開幕するCSファーストSからは、敗退した時点で岡田阪神の幕引きとなる。自身が2年間をかけて作り上げたチームと一日でも長く野球を続けたい。そんな願いにも似た気持ちを「最後の最後まで」という言葉に込め、死力を尽くす決意を示した。

 昨年の会見はオンラインで出席し、「一回の裏、先頭の近本が塁に出たら勝つと思いますね」と高らかに宣言。記念撮影では広島・新井監督とDeNA・三浦監督にモニター越しからパンチを見舞い、大爆笑をかっさらった。だが、今年はおどけた場面もなく、軽妙な語り口で周囲を楽しませる“岡田節”も封印。最後の戦いをかみしめるように発する言葉の一つ一つに重みを感じさせた。

 ファイナルSから登場した昨年と違い、ファーストSからの戦いとなる。先に2勝したチームが勝ち上がる超短期決戦。岡田監督は打倒DeNAの鍵として「やはり初戦。両方のチームのエースが投げるが、まずここにね、全力でいかないと勝機はないと思う。とにかくポイントは第1戦。先発ピッチャーですね」と語り、虎の絶対的エースに成長した才木に初戦を託すことを明かした。

 風邪による体調不良で9日の全体練習を休んでいたが、2日間の静養を経て3日ぶりに復帰した。サングラス姿でグラウンド入り。秋晴れの空の下、シートノックやフリー打撃に目をこらした。クラブハウスへ引き揚げる足取りは重く、時折せき込むなど体調は万全とはほど遠い。ただ、試合が始まれば百戦錬磨の勝負師と化すはずだ。

 「素晴らしいファンの人がいる。楽しい、すごいゲームをやっていきたい」と虎党を思いやった。あと10個の白星を積み重ね、下克上からの2年連続日本一を置き土産とする。

 ◆阪神予想スタメン

 1番・中堅 近本

 2番・二塁 中野

 3番・右翼 森下

 4番・一塁 大山

 5番・三塁 佐藤輝

 6番・左翼 前川

 7番・捕手 梅野

 8番・遊撃 木浪

 9番・投手 才木

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