【岡義朗氏の眼】阪神・岡田監督の置き土産 あえて嫌われるような起用は全選手に向けたメッセージ
「JERA CSセ・ファーストS・第2戦、阪神3-10DeNA」(13日、甲子園球場)
レギュラーシーズン2位の阪神は2連敗で敗退が決まった。退任が発表されていた岡田監督にとって、まさかの大敗でラストゲームとなった。デイリースポーツ評論家の岡義朗氏は15安打10得点と爆発したDeNA打線との差を指摘した一方、2年間の岡田野球を「素晴らしい野球を残してくれた」と高く評価した。
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阪神は予想外の大敗となったが、DeNAとの差を指摘するなら、この短期決戦を好調なまま迎えられたDeNA打線と、近本、中野が機能しなかった部分に象徴される、つながりを欠いた阪神打線というところになるだろう。
ただ、この試合限りで退任となる岡田監督についてはこの2年間で素晴らしい野球を残してくれたと考える。それはこの試合においても言える。
二回、阪神は高橋が打ち込まれ4点を失った。しかもファーストストライクからどんどん振ってくるDeNA打線にことごとく捉えられ、1イニングでわずか15球という攻撃だ。
そして三回、捕手を梅野から坂本に交代させた。これは岡田監督の置き土産と映った。選手には、将来がある。最後の最後に、あえて嫌われるような起用をしたのは怒りでさらし者にしようという発想ではない。
相手打線に対してもっと“何か”を感じ取り、打つべき手を考えてほしかった。それをまだまだ勉強して今後に生かしてほしい。全選手に向けたメッセージだったはずだ。