阪神 藤川球児氏が新監督に就任 投手出身では星野仙一氏以来22年ぶり “岡田イズム”継承者、似通った野球観

 阪神の監督就任が発表された藤川球児氏
 CSファーストSで敗れ、退任する岡田監督(右)と泣きながら握手を交わす藤川=2008年10月20日
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 阪神は14日、OBで球団本部付スペシャルアシスタント(SA)を務める藤川球児氏(44)が第36代監督に就任すると発表した。近日中に記者会見を行う。投手出身では星野仙一氏以来22年ぶり、生え抜きに限れば村山実氏以来36年ぶり。球団創設90周年の来季、藤川新監督で2年ぶりのV奪回を目指す。

 虎のレジェンド右腕が再びタテジマに袖を通す。現役時代「火の玉」と呼ばれたストレートで虎党をとりこにした藤川氏が、監督として聖地に帰ってくる。

 13日にCSファーストSでDeNAに大敗。2連敗で2年連続日本一の夢がついえた。失意に包まれた一戦から一夜明け、阪神が藤川氏の監督就任を発表した。

 阪神では04年の第1次岡田政権から今季まで、6代連続で野手出身の監督が務めてきた。投手出身の監督は02~03年の星野仙一氏以来、生え抜き投手に限ると1988~89年の村山実氏までさかのぼる。投手力を前面に押し出し、勝ち星を重ねてきた現在の阪神にとって、藤川氏はうってつけの人材と言えるかもしれない。

 藤川氏は1998年度ドラフト1位で高知商から阪神入り。先発から中継ぎに転向して頭角を現すと、勝利の方程式「JFK」の一角として05年のリーグ優勝に貢献した。中継ぎと抑えで計4度タイトルを獲得。782試合に登板し、NPB歴代4位(当時)となる通算243セーブを挙げ、米大リーグにも挑戦した。

 20年に現役を引退し、翌年に球団本部付SAに就任。国外での入団テストなど球団運営に幅広く携わり、ファンからの人気も絶大だ。また、野球解説者としても豊富な知識や投手心理に基づいた的確な分析が好評を得ている。

 “岡田イズム”の継承者でもある。藤川氏が現役だった19年の春季キャンプでデイリースポーツ評論家だった岡田前監督と対談。当時、05年を最後に優勝から遠ざかっていたチームに対して「勝つ集団を目指さないといけない」と直言。岡田氏の著書に目を通したことも明かしており、野球観は似通った部分もある。勝負事を岡田氏がたしなむ将棋になぞらえ「勝つ方法って将棋みたいなもん。後ろから考えていくこと。後ろから順番に詰め方が分かっていれば、負けても仕方ないと思える。それが分からないと迷ってぐちゃぐちゃになる」などと持論をぶつけた。

 晴れて虎将となり、自身が培ってきた知見をグラウンドで惜しみなく披露する時が来た。球団創設90周年の節目を迎える来季は6年連続Aクラスのチームを率いることになる。近日中に開かれる就任会見で所信表明し、新たな猛虎の目指すべき姿が明かされる。師から受け継いだ重責を担い、2年ぶりのV奪回を目指す。

 ◆藤川 球児(ふじかわ・きゅうじ)1980年7月21日生まれ、44歳。高知県出身。現役時代は右投げ左打ちの投手。高知商から98年度ドラフト1位で阪神入団。13年にFAでカブス移籍後、レンジャーズ、四国ILp・高知を経て16年に阪神でNPB復帰。20年現役引退。最優秀中継ぎ2回(05、06年)、最多セーブ2回(07、11年)。21年に阪神でスペシャルアシスタント(SA)就任。日米通算811試合で61勝39敗245セーブ164ホールド。06・09年WBC、08年北京五輪日本代表。

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