阪神・藤川新監督「この野球選手の名前はタイガースにいただいた」 コーチ未経験「全く僕に関係ないこと」 記者会見(下)
阪神の新監督に就任した藤川球児氏(44)が15日、大阪市内で記者会見を開き〝岡田イズム〟の継承を誓い、「タイガースにいただいた名前なんで」とコーチ未経験での監督就任に迷いなかったと明かした。以下、記者会見(下)
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-少し離れて12球団を見てきた。監督をしていく上で生きるか。
「チームカラーが12球団全て違う。アメリカも含めて全部違います。だけど、このタイガースというのはタイガースならではの特長があって色があって、それを他球団と比べること、それも難しいと思います。他球団がどうだからというものではないと思います。タイガースにはものすごい文化がありますから。ただ、野球に関してはストロングポイント、やっぱりホーム球場でのアドバンテージをしっかり生かす、これが絶対あります。あと11球団の球場に行きながら野球を見てきましたから、その向こうのチームに対するところにどうケアできるか、アプローチできるかっていうのはプラスアルファではなくて、すごく重要な部分じゃないかと思ってますから、ただいくら話してもまだ実践してませんから、全てが見ておいてくださいとしか言いようがないところですね」
-迷いという気持ちはなかったか?
「正直なところ、藤川球児というこの野球選手の名前はタイガースにいただいた名前なんで、いつかお返ししなきゃというのがあるだけなんです。お願いされたら、それはタイガースに名前を返すということを考えて。そのときが来たというところですかね」
-目指すのは、第一次岡田政権のように大人の選手の集まり?
「いや、彼らはわからないと思いますね、かなり前のことなんで。それは僕が頭の中で思うことであって、彼らにはそれは求めないですね。古すぎて、知らないと思うんですよ。野球って、ものすごく早く流れていくし、選手たちは気持ち入れ替えるのもシーズン終わって、いま難しいでしょうし。それにまたさらに何十年も前の話されてもとは思うので。僕は過去の経験をたどって、僕の頭の中の引き出しと、コーチの方たちとか球団の方が持っている頭の中の引き出しを出して、最高のものでサポートしていければ」
-いつか監督をすると思っていたのか。
「いやいや、特にはなかったんですけど。ほんとは何もしないって、辞めたときに決めてたんですけど、まず娘から『何もしない父は嫌だ』って言われて。なので、やっぱ働かなきゃなっていうのがあって。『40歳から家にいるお父さん見たくない』っていうところで、もう一回働き始めたっていうのがほんとで。もしそこで、家族が別にそれで良ければ、何もそういうことを想像はしなかったとは思いますね」
-解説とかで野球に携わってきて、何となく監督するかなみたいなことは自身の中では。
「いや、ないんですよね。結局、僕、岡田監督に1年でも長くやってほしいって、なった時からずっと思ってたんで。それだけですかね」
-コーチ経験がないことの声に関しては。
「全く僕に関係ないことですよね。僕がやることなんで。頼まれた方だったら分かるんですけど、当事者意識なんで。結局、自分が何をするかしか考えていないんで。どういう考えがあるのか関係なくて。それが人それぞれの人生なんですね。(阪神に)入った以上、中のことを考えてやるだけで、それ以外の声というのはみなさんのご興味なんで。そういう意見、そういう思いがあるのなら楽しんだらいいのかなと思いますけど。みんな自由なんで」
-金本監督、矢野監督も選手の時は人気だったけど監督になるとボロクソに言われた。
「いいんじゃないですか。僕、全然平気です。それ経験してきてるし、それがなくなった経験もあるので。結局、一過性のものなんですよ。全然大した話じゃないんですよね。それを世の中にも伝える義務も、もしかしたらあるのかもしれないですね。世の中にもそういう思いで生きてる人がいるよと」
-勝ちパターンの重要性は。
「他のコーチの方とお会いしてから、ゆっくり…ゆっくりじゃない、3日ぐらい話し合わないといけない。みんな頭が切れるコーチばかりなので。みんなで話し合ってから、またその時に担当コーチから話を聞いてもらったらいいと思います」
-岡田監督には何かあったら相談するのか。
「いつでも相談したいです。都度都度、相談したいです、はい」
-ネクタイの色は球団を意識したのか。
「意識してなかったらヤバイですよね。44歳にもなると、そのあたりは少しは」
-春までにチームを仕上げていく。
「それじゃ間に合わないじゃない」
-秋季練習時からコーチと話し合って。
「みんなワクワクするようなミーティングとか計画とか準備とか、話し合ってたくさん出し合いながら」
-来年は球団90周年。
「頑張らないといけないですね」
-今年の巨人は強かったか?
「俺、関係ないですよ。解説者でしたよ」
-引退会見で巨人に対する思いを口にしていたが。
「巨人と阪神ではなくて、東と西という文化の問題なんですよ。これ、実は阪神と巨人というのは代表であって。そこはまず選手たちは分からないですね。関西出身の選手も巨人にいるし。皆さんがなぜ阪神を応援するか、巨人を応援するかというのは、東と西の文化がある中で、そういう楽しみ方の一つを持ってきているんで。(選手は)その戦いを(ファンが)楽しみにするんじゃないかなという思いでプレーすればいいんじゃないか」
-監督就任にあたって、SNSをやめたが。
「『私』としてやっていたんですけど、ここにきたら『私』はないので。やっぱり24時間もしかしたら監督としてやっていくことになるだろうし、今までの方を見てもみんなそういう姿があって。監督でも(ユニホームを)脱いだら少しフラっと柔らかくなる瞬間があったりとかは正直、必要がないというか、没頭したいというか。没頭する機会をもらえたので、僕が真っすぐ、ぐわーと入り込まないと選手たちもぼやけてくるので、そこにまず自分が集中するということです」