阪神・藤川新監督“岡田イズム”継承誓い「残した思いをつなぐ」 背番号は岡田監督からもらった「22」

 就任会見を終え、笑顔でポーズを決める藤川監督(撮影・田中太一)
 藤川を迎える岡田監督=07年8月17日、甲子園
 マウンド上で背番号22を見せる藤川=2020年11月10日(代表撮影)
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 阪神の新監督に就任した藤川球児氏(44)が15日、大阪市内で記者会見を開き“岡田イズム”の継承を誓った。理想のリーダー像に岡田彰布前監督(66)を挙げ「岡田監督の残した思いをつなぐ」と語った。2年ぶりの覇権奪回へ「当然、勝ちにいく。タイガースを日本一にし続けたい」と宣言。背番号は現役時代と同じ「22」に決まった。3年契約で年俸8000万円とみられる。

 宿命に導かれ、再びタテジマを身にまとう。壇上の新人監督に、報道陣約120人の視線が注がれた。グレーのスーツはタテジマを思わせるストライプ柄。シャツは鮮やかなブルーで、黄色のネクタイに猛虎愛をしのばせた。18歳で入団し、計17年間プレーした古巣に監督として帰ってきた。「自分の決断に間違いはない」。藤川新監督が決然と第一声を放った。

 プロ1年目の1999年、2軍監督に就任したのが岡田前監督だった。四半世紀前に結ばれた縁。唯一無二の師から虎を受け継ぐ。「全て必然。何も不自然なことがない。これも運命。従えばいい」と穏やかに語った。

 理想のリーダー像を問われ「岡田監督です」と即答。「阪神タイガースというのは岡田監督であると言っても過言ではない」とまで言った。会見では「岡田監督」の名前を何度も口にした。

 阪神監督という重責を担うにあたり「普通にやったらええ。これに尽きる」と笑みを浮かべた。前監督が口癖のように繰り返した「普通」という言葉を新監督も用い“岡田イズム”の継承者であることを示した。

 この日の朝、体調が優れない岡田前監督に遠慮しつつも、電話を通して自らの口で監督就任の報を伝えた。「頑張れよ。また必ず、すぐ行くから」と言葉を贈られた。「本当に大恩師。父親みたいなもの。背中が格好いい」。思いが止めどなくあふれた。

 注目の背番号は当時の岡田監督から勧められ、05年から背負った代名詞の「22」。「正直、岡田監督からもらっていなかった番号であれば、全くこだわりはなかった」と明かした。22日に始まる秋季練習でいよいよ藤川新体制が動き出す。

 直近6年連続Aクラスのチームを率いる。コーチ経験がないことを不安視する声もあるが「全く僕に関係ない。自分が何をするかしか考えていない」と“雑音”を打ち消した。2年ぶりのV奪回に向けて「目指すものは勝ちにいきます。当然、勝ちにいきます。タイガースを日本一にし続けていきたいし、岡田監督が残した思いもつなぐ」と力強く所信表明した。

 「藤川球児という野球選手の名前はタイガースにいただいた。いつかお返しすることを考えていて、その時が来た」。球団創設90周年の節目を迎える来季に、伝説的右腕が聖地に帰ってくる。「真っすぐ、愚直に真心を込めて、このチームを預からせていただく。今後100年、200年に向けて愛される球団にする義務が私にはある。見といてください、やりますから」。“火の玉”のような燃えさかる思いで球児阪神の第一歩を踏み出す。

 ◆藤川 球児(ふじかわ・きゅうじ)1980年7月21日生まれ、44歳。高知県出身。現役時代は右投げ左打ちの投手。高知商から98年度ドラフト1位で阪神入団。13年にFAでカブス移籍後、レンジャーズ、四国ILp・高知を経て16年に阪神でNPB復帰。20年現役引退。最優秀中継ぎ2回(05、06年)、最多セーブ2回(07、11年)。21年に阪神でスペシャルアシスタント(SA)就任。日米通算811試合で61勝39敗245セーブ164ホールド。06・09年WBC、08年北京五輪日本代表。

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