阪神・球児新監督 就任後初の訓示“名指し”でゲキ 右京&井上「うかうかしていられない」

 「フェニックス・リーグ、楽天(降雨中止)阪神」(17日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎)

 阪神の藤川球児新監督(44)が17日、宮崎県内で開催されている「みやざきフェニックス・リーグ」の楽天戦(サンマリン)を視察した。試合前には選手を集めて就任後初の訓示を行い、前川右京外野手(21)と井上広大外野手(23)に名指しでゲキを飛ばし、さらなる奮起を促した。

 “球児流”の一端が早くも垣間見えた。試合前のミーティング。藤川新監督は集められた選手を前に訓示を行った。じかに言葉を届けるのは就任後初めてとなる。その中で前川、井上の名前を挙げて「うかうかしていられない」とゲキを飛ばしたという。

 15日の就任会見ではベテランの意義を尊重しつつ「個人の力がないベテランは必要ない」と厳しいメッセージを発していた。一方で若手を優遇するつもりもみじんもない。

 前川は3年目の今季、初めて1軍でシーズンを“完走”した。116試合で打率・269、4本塁打、42打点。左翼の1番手として大きく飛躍を遂げた。5年目の井上も今季終盤に昇格すると、プロ初本塁打を含む3本のアーチをかけるなど、自己最多23試合に出場した。ともに次代の虎を担うことが期待される有望株だが、実力の世界では未来は何も約束されていない。一層の奮起を願う指揮官の思いがゲキとなった。

 試合が三回で雨天中止となった後の囲み取材で訓示の内容を問われた藤川新監督は「選手たちに聞いてください」と答え、その意図を説明した。

 「選手たちのコメントとか思いが、新聞とかそういうところ(メディア)から聞こえた方が、自分としてはいいじゃないかと思っている」

 通例ではミーティング内容が外部に漏れることはご法度とされるが、藤川監督はむしろ後押しするような発言をした。自身の言葉を選手がどのように受け止めているのか。選手が自分の言葉で外に向けて語ることで、理解度を確認することが可能だと考えている。実際にこの日は、ミーティングの中身について各自の判断で取材に応じることが許可されていた。

 名指しされた2人は新指揮官の言葉を真っ正面から受け止めた。前川は「油断できる立場ではないし、やらないとすぐに終わっていく世界。強い意志を持って頑張りたい」と決意を新たにした。井上も「しっかりと自分にできることをやって臨んでいければ」と改めて表情を引き締めた。

 藤川新監督は午前の航空機で宮崎入りすると、空港から球場に直行。2軍首脳陣とのコミュニケーションに時間を割いた。「監督、コーチの皆さんもすごく快く受け入れてくれたので、また新しく自分の力が湧いてきた」と気力をみなぎらせた。岡田イズムを継承しつつ、独自色も打ち出しつつある。“火の玉視察”は初日から実り多きものとなった。

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