阪神・藤川監督「あと100も200も負け越してる」「野球の枠を超えた東対西」 対巨人のDNA 元担当記者が明かす素顔

 阪神の新監督に決まった藤川球児氏(44)の素顔を紹介する企画。今回からは歴代担当記者が、当時の取材エピソードや人となりを明かす。

  ◇  ◇

 15日に行われた就任会見。新監督は対巨人への質問に「東と西という文化の問題なんです」と答えた。その言葉を聞きながら、記者は5年前に藤川球児と交わした会話を思い出していた。

 「まだまだですよ。だって、あと100も200も負け越してるんですから」

 あれは矢野政権初年度の2019年。チームは巨人相手に開幕から6連敗を喫していた。特に若い選手を取材していても、阪神、そして虎党にとっては特別な存在である巨人への対抗心が伝わってこない。そんないら立ちにも似た感情をGT戦の練習前に、東京ドームの通路で球児に思わずぶつけてしまった。

 「それはもうね野球の枠を超えた東対西の話なんですよ。育った地域や環境に根付いたもの。例えば若い子が誰々選手のファンっていうのも、親がそのチームのファンだったことが影響していることがある。ずっとそういうものが積み重なってきているんです。いわばDNAみたいなものですよね」

 関西出身ではない選手には、その積み重ねはほぼない。一方で球児は「20年やってきた僕はそういうのが分かるようになったんです」と、チーム内で先輩から受け継がれてきた“DNA”が自分にはあると言った。実際に巨人に勝って一番うれしそうなのは球児、負けて一番悔しがるのは球児と関係者から聞いたことがある。

 そのGT2連戦で対巨人の連敗を止め、連勝を飾った。自身も連投で無失点に抑えた試合後、記者からの「2つ返した」の問いかけに対する返答が、冒頭の「あと100も200も負け越している」だ。その時点で阪神の対巨人通算成績は815勝、1065敗(71分け)。長年積み重ねてきた通算成績を持ち出すあたりに、打倒巨人への思いが詰まっていた。

 就任会見で巨人戦は「『(ファンが)楽しみにするんじゃないか』という思いでプレーすれば」と話した。宿敵を率いるのは阿部慎之助。敵将の2019年、引退前ラスト甲子園の打席で全球ストレート勝負を挑み、フルスイングでの空振り三振を奪った相手だ。監督として、ぜひとも“DNA”をチーム内に浸透させてほしい。(デイリースポーツ・和田剛)

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