阪神・藤川新監督 関大・金丸引く!最大5球団競合も「思いを込めて」 24日ドラフト、巨人も指名有力で伝統の一戦前哨戦

 阪神のドラフト1位最有力候補の関大・金丸
 ドラフト会議前日スカウト会議を終えて取材に応じる藤川監督(撮影・堀内翔)
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 「2024年プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」は24日、午後4時50分から東京都内のホテルで開催される。23日に都内ホテルで行われたスカウト会議後、取材に応じた阪神の藤川球児新監督(44)は1位指名選手の決定は当日になると明かした。最有力候補は関大・金丸夢斗投手(21)とみられ、最大5球団の競合による抽選となった場合は「僕が引きます」と明言。巨人・阿部監督らとくじ引きで対決する可能性も出てきた。

 “大一番”を翌日に控えても藤川新監督は落ち着き払っていた。スカウト会議が行われた一室の椅子に腰かけ、穏やかな表情で報道陣を見上げた。注目のドラフト1位指名選手については「当日になると思います」。例年通り、決定は会議当日に持ち越され、公表されることもなかった。

 「いくら聞いても、たぶん僕から出てくることはない(笑)。ぽろっと(口が)滑ることもないと思います」。藤川新監督は笑顔で煙幕を張ったが、その脳裏には即戦力左腕の姿が思い浮かんでいたのかもしれない。

 1位の最有力候補は金丸とみられる。投手では最大の注目を集める最速154キロの逸材。神戸市出身で兵庫・神港橘から関大へ進んだ。地元で育まれた“金の卵”だけに一層魅力的に映る。金丸の印象について問われた藤川新監督も「やっぱりいいですよね、当然」と白い歯をこぼした。

 金丸は大学最後の登板となった22日の関西学生リーグ・関学大戦で1回無失点に抑え、昨秋から続く連続自責0イニングを「72」に伸ばした。大学通算でも49試合に登板し、20勝3敗、防御率0・83、312奪三振と圧倒的な数字を並べた。

 複数球団による指名重複は確実だが、藤川新監督は「くじを引くことになれば、僕が引きます」と宣言した。「スカウトの皆さんとチームの総意。代表である自分が引くべき」と覚悟を決め、「大切な選手を預かることになるので、思いを込めて引かなければいけない」と表情を引き締めた。

 公表こそしていないが、巨人も金丸の指名が有力視されている。金丸を巡って阿部監督と“伝統の一戦”の前哨戦が実現すれば、会場も大いに盛り上がるに違いない。

 「縁があるのかなと思いながら、ボックスの中に手を入れるんじゃないですか」。現役時代、あまたの強打者をねじ伏せてきた“火の玉”が宿る右手で“虎の恋人”を引き寄せるつもりだ。

 “球児色”が鮮明に出るドラフト指名になるのか。「僕らしい(指名になる)のかどうか、所信表明みたいになるので見てもらえれば。当日のお楽しみ。明日(会場で)会いましょう!」。運命の日を楽しむかのように、新虎将は笑顔で席を立った。

 ◆金丸 夢斗(かねまる・ゆめと)2003年2月1日生まれ。21歳。兵庫県神戸市出身。177センチ、78キロ。左投げ左打ち。投手。小学1年から野球を始め、広陵中では軟式野球部に所属。神港橘では3年夏の県独自大会で8強。関大では1年秋にリーグ戦初登板。関西学生リーグでは通算20勝。今年3月には侍ジャパンにも選出され、欧州代表との強化試合で先発し、2回無失点に抑えた。最速は154キロ。

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