「阪神秋季練習」（２３日、甲子園球場）

　阪神・伊藤将司投手（２８）が２３日、甲子園球場で秋季練習に参加し、３年ぶりに復帰した金村暁投手コーチ（４８）からの“復活指令”に応じる心構えを示した。２桁勝利を挙げたプロ１年目から２年間、指導を仰いだコーチの再入閣を「大きい」と歓迎。自己ワースト４勝に終わった今季からの巻き返しを誓った。

　シーズンを終えたばかりだが、逆襲への闘志はすでに着火している。今季は不本意な結果に終わり、２軍暮らしも長かった伊藤将だが、同じ轍（てつ）は決して踏まない。「今年ダメで、来年もダメとなると自分の中でも良くないので。そこは来年はしっかりローテを守れるようにしたい」。復肩への決意をストレートな言葉で示した。

　秋から燃えるのには理由がある。３年ぶりに復帰した金村投手コーチは就任会見で、「実績組の復活が必要。青柳だったり伊藤将司だったりの復活は欠かせないところ」とＶ奪還への必須条件として、名指しで指摘。熱いゲキを受け止めた伊藤将は、「そうやって言ってくれてるんで、やっぱり期待に応えたいなと思います」と発奮した。

　金村コーチには新人時代から指導を受けて、２年目にはスランプ脱出のきっかけを与えてもらうこともあったという。「調子が悪い時期があって。そこで暁さん（金村コーチ）に直してもらって、また調子を戻したというのもあったので、自分にとってもすごく助かるコーチ。メンタルは暁さんが多分一番分かってくれてる」。指導者とプレーヤーとして一度築いた信頼関係は、年月がたっても揺らぐことはない。

　金村投手コーチとともに乗り込むことになる、来月１日からの秋季キャンプでは、「（シーズン中は）気付けなかったこともあると思うので、そこで見てもらって改善して、来年に生かせるようなフォーム固めをできたら」と課題は明確だ。「１軍にいれなかったんで、こういう経験も生かして、また一から作り上げたいと思いますね」と原点回帰を宣言した。

　キャンプは５勤１休とハードスケジュールに設定されたが、「問題ないです！！」と声のトーンを一段上げてアピール。屈辱の４年目をバネに再び飛躍へ－。安芸で汗を流して鍛え直す。