阪神・ドラ1伊原 村上“超える”智弁学園の2学年先輩 左腕虎初新人王へ「憧れているだけじゃダメ」

 阪神からドラフト1位指名された伊原陵人投手(24)=NTT西日本=が25日、京都府内のNTT西日本淀野球場内で藤川監督、宮脇編成ディレクター、畑山統括スカウト、熊野スカウトから指名あいさつを受けた。「投手像として一番理想」とする智弁学園の先輩・村上の背中を追いかけ、追い越し、左投手では球団史上初となる新人王を目指す。

 ドラフト1位指名から一夜明け。想像以上の反響に伊原は目を丸くした。「正直すごかったですね。LINEは260件くらい来てました。初めてですね。自分からしないと連絡は来ないタイプなので、びっくりしました」。プロ入りの実感が湧いたのは藤川監督との初対面。「テレビで見ていた方」を前に緊張の指名あいさつは約15分間行われた。

 「投手像としては村上さんが一番理想」。高校の頃に見た「衝撃的」な球を投げ込む2歳年上の大先輩の姿。当時から憧れであり「真っすぐが軸で、キレのいい変化球があって、コントロールがあるっていうところは自分と似ている」と自然と目標となった。

 昨年の新人王は村上だった。当時の伊原は将来の活躍を想像して驚かなかったという。同じ土俵に立った今、「憧れているだけじゃダメだと思うので。同じところに並ぶのか、超えるのかっていうところが大事になってくる」と自らにプレッシャーを与えた。

 ライバルは多い。4球団が競合し、阪神が1巡目で入札した中日のドラフト1位・金丸も新人王を目標に掲げる。外れ1位とは言わせない。「集中して自分のやるべきことをできれば、おのずと結果はついてくる」と周りに左右されることなく、目標に向かって突き進む覚悟を示した。

 170センチと小柄な上背から投げ込む直球は最速149キロ。「今まで経験したこと全てが今につながってる」と大商大時代に指名漏れを経験したことが自身の成長のきっかけとなった。「一番はスピード」。磨きをかけた直球と自慢の制球でプロの道を切り開いた。

 「開幕1軍」を見据える中で先発ローテ入りは必須。その先に新人王の座が待っている。一番の目標を達成するため、伊原は「1年間走り抜ける」と力強く誓った。阪神の社会人野球出身の投手では1994年の藪以来3人目、左腕では高校、大学、社会人出身を通じて球団史上初となる新人王を目指す。

 活躍を期待される24歳は自覚も十分。「新人王が一番即戦力としては大事なのかな。そこは目標に頑張りたい」。これまでの経験も武器に、ライバル、先輩を超えるスーパールーキーとなる。

 ◆球団左腕の新人王はなし 阪神歴代新人王は9人。そのうち、投手が4人で全員右腕(社会人2人、大卒2人)。各投手の投打と出身は①1955年・西村一孔(右投げ右打ち・全藤倉)②94年・藪恵市(右投右打・朝日生命)③07年・上園啓史(右投げ右打ち・武蔵大)④23年・村上頌樹(右投げ左打ち・東洋大)。※名前は当時

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