渡瀬マキ「日本を元気にしてください」阪神・藤川監督にエール 現役時代の登場曲「何かの場面でかかってほしいな」

 藤川と対談する渡瀬マキ=07年
 藤川の引退セレモニーで花束を贈り、抱擁する渡瀬マキ=20年11月10日
 祈るようにマウンドの藤川を見つめる渡瀬マキ=07年8月28日
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 V奪還を目指す藤川球児新監督(44)への期待を示す新企画「球児虎にエール」がスタート。藤川新監督が現役時代に使用した登場曲「every little thing every precious thing」を歌うロックバンド・LINDBERGのボーカル、渡瀬マキ(55)。アクティブな若き指揮官が来秋、選手の手で宙を舞う姿を思い描いた。

  ◇  ◇

 現役を引退されたときに、そうなったらいいなというふうに思っていたので、監督に就任されて『あ、やっぱり』というのが第一印象でした。誰よりも先に三重・鳥羽の両親から、ニュースを見るより早く『球児、監督やで』ってLINEが来て。スミマセン、父は藤川さんのことを呼び捨てにしていて…。両親の興奮ぶりを見てもそうですけど、やはりみんなが待ちに待っていた感じだと思いますよね。お若いですしね。その若さを武器に、落ち着いたというよりもアクティブでハツラツとした指導をしてほしいですね。

 最初に(番組収録で)お会いした後、甲子園に呼んでいただき、客席で見させていただいて(07年8月28日・広島戦)。ラッキーなことに藤川さんが投げられたんですけど、チームは勝てなかったんですよね(延長十二回引き分け)。そのとき私は『良かったです』と声をかけたんですけど、『勝たなきゃ意味がないので』みたいなことを、バシッと言ってこられて。それがすごい印象的で。やはり勝負なんだって、そのときすごく思いました。勝つっていうことに、すごくこだわっているなっていう印象でしたね。

 引退試合もセレモニーまで甲子園で見させていただきましたが、球場全体が『お疲れさまでした』と『ありがとう』という、感謝の気持ちの熱気ですごかったんですよね。愛されてたんだなと痛感しました、あのときは。引退後はお会いする機会が一切ないんですよ。インスタグラムをお互いフォローしていて、たまに『いいね』を押してくれて。私も『いいね』を押すという関係です(笑)。

 現役時代のアレ(登場シーン)はねえ、もうすごいですよ。自分のライブとは全く違う感じなんですよ。歓声もすごいし、みんな歌ってくれちゃうんですよ、一緒に。すごい鳥肌たったな。すごい迫力だった。すごいオーラだった。あの感じはやっぱり自分の仕事のライブでは味わえない感覚だったので、忘れられないですね。あの出てくるときの球場の感じは。いろんなものを背負ってマウンドに立ちますからね。あの感じが曲とあいまって感動しました。

 自分たちの活動だけでは知ってもらうことができない人たちに、いわゆる野球ファンにですよね、知ってもらえるというのは、なかなか他の曲ではないのでね。藤川さんのおかげで、野球ファンの方々に『コレを聞くと勝利が目に浮かぶ』とか言ってもらえるというのは、すごく貴重な体験をさせてもらいました。

 監督になられたので、あの曲はもう流れないですよね、やっぱり(笑)。何かの場面でかかってほしいなという気持ちは、めちゃくちゃありますよ。こっちはこっちでメンバーと、『コレは始球式に行くしかないでしょ』と勝手に盛り上がってますし。甲子園で始球式をさせてもらったことがないので、いつでも飛んでいきますんでね。

 野球ファンのみならず、関西のみならず、日本全体を元気にしてくださいと、言いたいです。そんな勢いがあるから、藤川さんには。胴上げされてるのも、見たいですよね。それはそれは、もうね、みんながそう思ってると思うけど。いやー、そうなったら感動するよなあ!!

 ◆渡瀬マキ(わたせ・まき) 1969年2月22日生まれ。三重県鳥羽市出身。88年にロックバンド・LINDBERGを結成し、ボーカルを担当。89年の「今すぐKiss Me」でブレーク。96年の「every little thing every precious thing」が、現役時代の藤川球児監督の登場曲として脚光を浴びた。

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