阪神・藤川監督 ソフトバンク・石川FA行使表明も“静観”「今の自分のチームにいい投手がたくさんいる」

 「阪神秋季キャンプ」(8日、安芸)

 阪神・藤川球児新監督(44)が8日、チームの現有戦力に自信を見せ、今オフは投手のFA戦線に参戦しない考えを示した。この日、ソフトバンク・石川柊太投手(32)がFA権行使を表明したが“静観”のもよう。補強ではなく、チームの底上げで強化を図っていく。

 よどみない口調から現有戦力に対する自信がうかがえた。ソフトバンク・石川がFA権の行使を表明。虎は参戦するのか。そんな問いに、藤川監督は「ないんじゃないですか?」と否定的な見解を示した。

 「はっきり僕の頭の中には入ってないですけど、今のところは。自分たちのチームに素晴らしい選手たちがいるので。十分に、今の自分のチームにいい投手がたくさんいるなというのが実感としてあります」

 石川は20年に最多勝のタイトルを獲得するなど実績十分の右腕だ。今季の推定年俸はCランクの1億2000万円。金銭、人的の保障の必要はなく、今後は複数球団による争奪戦に発展する可能性もある。チームでは5日に、青柳がポスティングシステムでの米大リーグ挑戦を表明。石川獲得に動いても不思議ではなかったが、虎は“静観”するもようだ。投手陣への信頼は揺るぎなく、指揮官の言葉も熱を帯びる。

 「自分たちの戦力に自分が自信を持っているので。何回も言いますけど、今いるうちの選手に対する自信はありますから。そういう意味で、補強うんぬんよりは自分たちの戦力に自信があるというところですよね」

 これほどきっぱり「自信がある」と言えるのは満足度の高いキャンプを送っているからだろう。藤川監督は連日、ブルペンで投球練習に熱視線。練習に「没頭」する選手たちの成長ぶりに、手応えは深まっている。

 一方で、野手に関して抜かりなく補強の準備を進めている。粟井球団社長はFA権行使の手続きが始まった5日に「FA、外国人はセットで考えている。補強ポイントの人が出てくれば考える」と説明。チームでは原口、糸原、大山、坂本が今季新たに国内FA権を取得。中でも大山は権利の行使に踏み切る可能性があり、引き留めに全力を注いでいる。

 V奪回へ、来季も自慢の投手陣は盤石だ。新助っ人野手の調査を進めつつ、投打の底上げを図っていく。

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