阪神・藤川監督“火の玉チェック”最終クールで見極め サバイバル!来春キャンプ1軍&2軍振り分け
「阪神秋季キャンプ」(11日、安芸)
阪神・藤川球児新監督(44)は11日、キャンプ最終クールで来春1軍キャンプのメンバーを選考する方針を示した。キャンプ最終日までモチベーションを維持させることも狙いの一つだが、選手にとっては重要なアピールの場となる。ここまでの紅白戦2試合では高卒2年目・井坪や育成選手のベタンセスがアピール。“火の玉チェック”により、安芸はますます熱を帯びそうだ。
藤川新体制の下、「没頭キャンプ」の緊張感は増すに違いない。来春キャンプは1軍スタートか、それとも2軍スタートか。指揮官が宜野座切符を懸けたサバイバルのゴングを打ち鳴らした。
「コーチには次の最終クールは競争ではなくて、次の1軍キャンプ、2軍キャンプの選択に差しかかってくる可能性があるので、選手たちにそういう目で見られるかもしれないということを伝えてほしいと伝えました」
13日から始まる最終クールでメンバー振り分けに本格着手する。キャンプ打ち上げまで「気を抜くな」というモチベーション維持も狙いの一つだが、秋は終わりではなくスタートという“球児の考え”が根底にはある。
「小さなことなんですけど、選手にとってはおそらく一歩目はすごく大事なんで。首脳陣が来年へのスタートが始まっているっていうけどさらに説明してあげた方が来年の春に向かいやすい。やってくれると思います」
メンバー振り分けの判断基準は「まばたきの回数です(笑)」と冗談めかしつつ、「僕だけじゃなくて各担当コーチが見ている」と説明。藤本総合コーチは「結果なり取り組み方なりいろんな見方がある。この子やったらオフもしっかりやって2月に来るんやろうなとか」。紅白戦の結果だけではなく、練習に取り組む姿勢や性格も判断材料になると強調した。
指揮官の指針にナインは力強く呼応した。9日の紅白戦で先制打を放ち、藤川監督から評価された高卒2年目・井坪が「来年勝負しなきゃいけないので、春から1軍に行きたい。地に足を着けてやっていきたい」と意気込むと、2試合連続安打中の高寺は「自分にできることを精いっぱいやりたい」ときっぱり。自己最速161キロをマークした育成選手・ベタンセスも「もちろん1軍に行きたいし、チャンスをもらえたら光栄だね」と力を込めた。今季1軍出場がなかった選手たちは目の色を変えている。
ここまでのキャンプは充実感いっぱいだ。藤川監督は「順調だと思いますね。僕も4年間ユニホーム着てなかったので、明日の休みはちょうどいい」と2度目の休日を待ちわびた。心身ともリフレッシュさせ、グラウンドで、ブルペンで、“球児の目”を光らせる。