阪神・藤川監督 今キャンプ初の喝!シートノックに「今日は少し緩い」「小さな差が結局、大きな差に」

 サインプレーの練習を見つめる藤川監督(撮影・中田匡峻)
 投内連係、サインプレーの練習を終え、コーチの話を聞く阪神ナイン。手前右端は藤川監督
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 「阪神秋季キャンプ」(13日、安芸)

 阪神の藤川球児監督(44)が13日、秋季キャンプで初めて喝を入れた。シートノックで「気になるところがあった」と指摘し、緩んだ空気を敏感に察知した。「没頭キャンプ」の最終クールは来春の1軍キャンプメンバーの振り分けと位置付けているだけに、改めて選手の引き締めを図った。

 “球児の目”はわずかな緩みも見逃さなかった。黒いパーカに身を包み、シートノックを見守った藤川監督は厳しい表情を浮かべた。ここまで選手に前向きな言葉をかけ続けてきた指揮官が、初めて喝を入れた。

 「みんな疲労もある中で気になるところがあった。今日はちょっと少し緩い、もう少しぎゅっと締めたいなというところを感じた」

 秋季キャンプ開始から13日目を数え、選手に疲労が蓄積していることは十分に理解している。一方、最終クールでは来春の1軍キャンプメンバー振り分けに本格着手すると宣言したばかりだった。その初日。選手のモチベーションは高いはずだったが、どこか弛緩(しかん)した空気が感じられた。

 シートノックでは佐藤輝、中野ら1軍の主力にもミスが見られた。一塁守備に挑戦している井上も捕球ミスを犯した。連携面では本塁でのタッチプレーを何度もやり直した。藤川監督の目には、特に若虎の緩みが気にかかったようだ。

 「若さのもろさというか、一様に若い選手というのは疲れで(動きが)落ちるけども、1軍で出ている選手はそれが見えない。長く見れば見るほど小さな差が出てくる。小さな差が結局、大きな差になっている」。柔らかな口調だが、1軍と2軍の間に横たわる壁について、核心を突いた言葉でもあった。

 「レベルが高ければ高いほど、当たり前のプレーのレベルが高くなる。ミスどうこうじゃなく動きの問題です」。日米でプロの第一線を歩んできたからこそ細部を突き詰めてほしいと思いを込めた。「没頭キャンプ」も残り4日。実り多き秋とするために、あえての苦言だった。

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