「ワクワクする選手を育ててほしい」横浜M・宮市亮“火の玉”は心の支え 阪神・藤川新監督に期待とエール

 生粋の阪神ファンで、サッカー日本代表経験も持つFW宮市亮=横浜M=(31)には夢がある。「JFK」に少年時代憧れ、藤川球児新監督の「火の玉ストレート」は今でも心の支えだ。

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 球児監督が吹き込む新たな猛虎の息吹に、宮市も期待感を抑えきれない。「めちゃめちゃ楽しみ。ここから指導者としてどんな采配をするんだろうと」と声を弾ませた。

 名古屋出身だが、関西出身の祖父と父の影響で「生まれた時からファン。幼児服が阪神のユニホームでした」という生粋の虎党だ。父・達也さんは社会人野球のトヨタ自動車で活躍し、宮市自身も小学校まではサッカーと野球の“二刀流”。名古屋から甲子園へ阪神戦を見に通ったという。

 自らも投手だっただけに、現役時代の藤川球児の姿は鮮烈に脳裏へ刻まれている。「本当にストレートがえぐくて、見ているだけで楽しませてくれる。次、絶対にストレートを投げると分かっていても、空振りが取れる。あんなにワクワクさせてくれる選手はいなかった」と振り返った。

 その“火の玉ストレート”が今も支えだ。「今でもスカッとしたい時は『藤川球児の奪三振集』を動画で探します(笑)」と宮市。最も印象に残る試合には「球宴(06年)でのカブレラ。あれ(予告して)でも振っちゃう。それもボールの下を。半端ないですよ」と、球児がカブレラ(西武)へ直球勝負を予告した伝説の名場面を挙げた。

 ただ、全盛期の輝きだけが魅力ではない。ドラフト1位で阪神入団後は期待に応えられない年が続いた。「入団当時はストレートもまだそんなにって感じで。それを磨き上げてきた。苦労をされている方だと思うが、そういうところも良い選手だなと見ていた」と、宮市の球児監督へのリスペクトは尽きない。

 それだけに来季への期待は大きい。「七、八、九回をこれなら大丈夫という投手陣を築いてほしい。そして藤川さんのようなストレートで勝負できる、空振りが取れる、ワクワクする選手を育ててほしい」と話す。

 左腕投手だった野球少年時代は、球児と「JFK」を形成したジェフ・ウィリアムスのフォームをまねていた宮市。夢は甲子園での始球式だ。「藤川さんの前で投げられたら激アツです。ジェフのフォームで投げて、後(試合)を藤川さんに託したい」と“夢リレー”に思いをはせ、その顔には野球少年に戻ったような笑みが浮かんでいた。

 ◆宮市亮(みやいち・りょう)1992年12月14日生まれ。愛知・名古屋市出身。中京大中京高を卒業後に英プレミア・アーセナルに加入。オランダ1部フェイエノールトなどへの期限付き移籍を経て、15年にドイツ2部ザンクトパウリに移籍。21年7月に横浜Mへ加入した。日本代表には12年の国際親善試合・アゼルバイジャン戦で初出場。その後は度重なる大けがの影響で遠ざかったが22年のE-1選手権で10年ぶりに代表復帰。181センチ、77キロ。利き足は右。

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