阪神・大山「感謝伝えたい」ファン感謝デー参加 残留か移籍か「自問自答」 タイガース杯ゴルフ出席、同僚とひとときの笑顔

 国内フリーエージェント(FA)権を行使した阪神・大山悠輔内野手(29)が21日、神戸市内でタイガース杯ゴルフに出席し、23日に甲子園で予定されている「ファン感謝デー」への参加を明言した。球団ではFA宣言中の選手による、同イベント参加は極めて異例。「自問自答」の毎日で去就が決まらない状況でも、「感謝の気持ち、そこを僕はしっかり伝えたい」と虎党と向き合うことを決めた。

 残留か、移籍か-。揺れる思いは表情に乗せず、大山は阪神ファンへの思いを言葉に変えた。ゴルフのラウンド後に、報道陣の取材に対応。「どういう決断をするにしろ、今年1年間、僕個人もそうですし、チームを応援してくれたことには変わりないので。出席することを決めています」。FA宣言後、初のファンイベントとなる「ファン感謝デー」に参加する理由を明かした。

 「やっぱりファン感謝デーが一番ファンの方と近く接する機会」と捉える、年に1度の“お祭り騒ぎ”。甲子園のグラウンドもスタンドも、笑顔であふれる特別な一日だけに、「感謝の気持ちはまず伝えたいですし。そこで(FAの)決断がどうのこうのはないので」と何よりも恩返しを優先させる考えだ。

 歴代タテジマ戦士は国内外問わずFA宣言中は、ファン感参加を見送るケースが多かった。12年の平野、14年の鳥谷、17年の大和…。異例の参加となる大山だが、「毎年毎年、今年だけではなくて今まで8年間そうやってきたので、確かにFA宣言している身ではありますが、そことはまた別のところで僕はやりたい」とポリシーを貫いて、ファンの前に堂々と姿を見せる。

 気になる去就に関しては、「しっかり決断したときに自分の口から報告するので、今は何も言えることはないです」と報道陣をけん制。矢継ぎ早の質問に、「今、お話しできることはないです」と何度も繰り返した。巨人が準備しているとされる最長6年の大型契約について聞かれても、けむに巻いた。

 この日のタイガース杯はFA宣言後、初の球団行事となった。「いつも通りの会話をしましたし、スコアは別にして、今日はすごくいい時間だったんじゃないかなと思います」と気心が知れた近本、木浪、中野と同組でラウンド。「自分自身、自問自答しながら毎日いるので、そういう意味ではゴルフをしている時はちょっと忘れることができたので楽しかったです」。熟考続きの日々に漏らした本音。神戸の山中でリフレッシュした“猛虎の4番”の決断が待たれる。

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