阪神・梅野「いい意味で監督の期待を裏切る」 力のないベテラン不要、藤川監督の発言に奮起 取り戻す「打てる捕手」
阪神・梅野隆太郎捕手(33)が25日、西宮市の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の推定1億6000万円でサインした。2021年のオフに国内FA権を行使せず阪神に残留した際に結んだ複数年契約は3年とみられていたが、4年であることを明かした。今オフは「打力の向上」を掲げ、来季はキャリアハイを目指すと宣言。「いい意味で監督の期待を裏切るようなプレーで結果を残したい」と藤川監督の胴上げを誓った。
約20分の会見で、梅野は「数字」というワードを繰り返した。球団初の連覇だけでなく個人成績も不本意な1年。「申し訳ないなという数字が残りました」。ざんげの言葉とともに、来季へ雪辱の思いを吐き出した。
「来シーズンはこの反省を生かして勝ちたい。またさらにレベルアップして。個人的にもっともっと数字を残していかないといけない。来季はしっかり数字を残したい」
プロ11年目の今季は坂本と併用され、95試合に出場。球団生え抜き初の通算1000試合出場を達成したが、打率・209、0本塁打、15打点にとどまった。巻き返しへ「打力の向上」をテーマに掲げ、開幕までの青写真を思い描いた。
「これから時間があるので、いろんなことにトライしたい。小谷野コーチ、上本コーチからアドバイスをもらいながら、シーズンにベストな方向性をもってやれるように、変化していきながらやりたいと思いますね」
オフの間もトレーニングを続け、打撃は「感覚」を研ぎ澄ます作業に没頭する。「生きた球をどう打つか」。来年1月の沖縄自主トレは少人数で行う予定。量だけでなく質も求め「打てる捕手」の称号を取り戻す。
藤川監督が就任会見で発信したベテランへの奮起にも力強く呼応した。
「監督の言う通り。自分たちは自覚を持ってやらないといけない立場。いい意味で監督の期待を裏切るようなプレーで結果を残して、最後に藤川監督を胴上げできるように頑張りたい」
藤川監督とは現役時代にバッテリーも組んだ。投手出身の監督の下でプレーするのは初。「配球に対して失敗をどう成功に変えていくか」。野手最年長で来年34歳。「年齢どうこうはない。まだまだ成長過程」。投手目線の助言を心待ちにし、“球児イズム”を成長の糧にするつもりだ。
25年シーズンは勝負の1年。21年オフに結んだ複数年契約は当初3年とみられていたが、会見で自ら4年であることを明かした。「リーグ優勝と日本一が目標。最終的にみんな笑っていられるシーズンにできるように、キャリアハイを目指して頑張っていきたい」。長く正捕手として扇の要を守り抜いてきた。V奪回へ、野手最年長の意地を見せる。
◆藤川監督“火の玉メッセージ”VTR 藤川監督が10月15日の就任会見で強化ポイントを問われ「ベテランと言われる選手」と指摘し、「必要なのは力です。力が必要なのは間違いないです。プレーヤー個人の力がなくてベテランというのは必要ないなと思います」と言及。自身の現役時代を振り返りながら、自らのベテラン像について考えを示した。