阪神・近本 赤星に並んだ4年連続4度目のGG賞 今季4失策「していいエラーはない」守備率10割誓う

 「三井ゴールデン・グラブ賞・表彰式」(28日、都内ホテル)

 「第53回三井ゴールデン・グラブ賞」の表彰式が28日、東京都内で行われ、セ・リーグの外野手部門で阪神の近本光司外野手(30)が4年連続4度目の受賞となった。阪神では2003~06年の赤星憲広以来となる連続記録。覇権奪回を目指す来季へ向けて「チームからの複数選出」「守備率10割復帰」「5年連続選出」の実現を心に誓った。

 金色のトロフィーを手に、球界を代表する選手らと肩を並べた。すでに「常連」となりつつあるが、何度もらっても、この感動は変わらない。阪神からはただ一人、ゴールデン・グラブ賞を受賞した近本。4年連続4度目で尊敬する赤星に並んだ。

 「今年もこの素晴らしい賞を受賞できて本当にうれしい。ずっと憧れている選手だったので、並ぶことができて光栄に思います」

 6年目の今季は中堅手として141試合に出場。規定試合数(野手は試合数×2/3)をクリアした外野手の中ではリーグ2位の294刺殺、同最多タイの6補殺、同8位の守備率・987を記録した。「プレー1つで球場の流れだったり、相手の流れっていうのは変わるんで。そういうプレーは1つでもやっていきたい」と心構えを口にする。

 堅実な守備でチームに貢献したが、もちろん満足はいっていない。昨季は自身初となる守備率10割をマークしたが、今年は4失策。「エラーはしないほうがいい。1個、2個するのは仕方ないと思うのかは全然話が違う。していいエラーはない」と自分に厳しい目を向け、守備率10割復帰を目指す。

 中堅を担う者として外野の“司令塔”としての役割にも徹した。右翼を守る森下とは事前に話し合い、呼吸はバッチリだ。「ある程度、プレースタイルは分かるんで。右中間っていうのは(森下が)捕りに来るときはできる限り任せていました。その分、左中間はカバーしようというのはあった」と、状況に応じて守備範囲のすみ分けをしていたことを明かした。

 日本一を成し遂げた昨季は坂本、大山、木浪、中野らと球団最多となる5人で選出されたゴールデン・グラブ賞。1人でも選ばれる選手が多ければ、チームとして活性化するに違いない。「(複数人)出るに越したことはない」と願った。

 唯一、守備で評価される賞だからこそ、こだわりも強い。阪神では最長となる5年連続の新庄(1996~2000年)にあと1年と迫る。「自分で操作することではないので。だから(選ばれることが)大事なのかなと思います」と近本。来季もチームの顔、柱として全力プレーを続けるだけだ。

 ◆阪神外野手の4年以上連続GG賞 1972年の制定(72~85年までの名称はダイヤモンドグラブ賞)以降、阪神外野手が4年以上連続でゴールデン・グラブ賞を受賞したのは新庄剛志(96~00年=5年連続)、赤星憲広(03~06年=4年連続)と近本の3人。内野手では平田勝男が4年連続(84~87年・遊撃手)。初受賞から4年連続は平田と近本の2人で、最多受賞回数は新庄の7度。

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