阪神・佐藤蓮“新フォーム”で160キロ超え狙う やり投げ元日本代表村上幸史氏から指導「めっちゃ良くないですか」
阪神・佐藤蓮投手(26)が3日、京都市内のスポーツジム「Y-TRAINING」で自主トレを行った。陸上やり投げの元日本代表で2009年世界選手権銅メダリストの村上幸史氏(44)から2年連続で指導を受けた。パリ五輪女子やり投げで金メダルに輝いた北口榛花(26)を指導した経験もある師匠。今季、右腕の進化に大きなヒントを与えた村上氏から、さらなる制球力と球速アップのための“新フォーム”を習った。
飛躍のきっかけをもらった師から、新たな刺激を受けた。昨オフに続いて実現した、やり投げ元日本代表の村上氏への弟子入り。約2時間半に及んだトレーニングで投球フォーム改善に取り組んだ佐藤蓮は、「めっちゃ良くないですか」と手応えを感じ、何度も笑顔を見せた。
昨オフ。「後がない」と切羽詰まっていた右腕は村上氏の投球動画を偶然見つけ、「俺に足りないのはここだ」とSNSを通じてすぐさま連絡を取った。直接指導で好感触を得て、臨んだ24年シーズンは春先から好投を重ね、7月末には支配下復帰。終盤には1軍初昇格、初登板を果たした。
そして勝負をかける来季に向け、「今の数字って(石井)大智さんとか桐敷に比べたら劣っている。もう(そのメンバーと)競い合わなきゃいけない」と決意。昨オフまで自主トレを行った岩崎組を離れ、村上氏の下での“単独トレ”を決断した。
テーマは明確だ。投球フォームを安定させて制球力を高め、同時に現在の最速157キロから160キロ超えを狙う。「僕の場合はそこまで必要なんじゃないかと思う」と、さらなる高めを見据えている。
この日のトレーニングでは「いかに自然に勝手に(力が)出るか、ということをやっていかないといけない」という村上氏の教えの下、さまざまなメニューに取り組んだ。「小手先で投げていた」という体の使い方を修正するため、四つんばいの姿勢から投球を繰り返し、その後はマウンドに見立てた傾斜で15キロの重りを持って重心を真下に落とす動作を反復。感覚が染みついたところでネットに向かって約200球を投げ込んだ。
終了後にはひと目で分かるほど、フォームも球威にも変化があった。「体の使い方のメカニズムを感覚的に理解して欲しかった」と、村上氏も進化に太鼓判を押す。このオフは定期的に指導を受ける予定。2月のキャンプインまでに精度を高め、虎投手陣に欠かせない唯一無二の投手になる。