阪神・石井 倍増超8200万円でサイン「上げてやって」進言の平田2軍監督に感謝 憧れ藤川監督の力に

 阪神・石井大智投手(27)が6日、兵庫県西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、4000万円から2倍超の4200万増となる8200万円でサインした。救援陣では桐敷に続く大幅増の背景には、平田2軍監督(前ヘッドコーチ)の進言があったことを明かした。会見では9月に第1子となる長男が誕生していたことも発表。来季は2年連続50試合登板を目標に掲げ、憧れの藤川監督の下でリーグVに貢献する。(金額は推定)

 球団から最大級の評価を受けた石井は終始にこやかだった。今後はチームを引っ張っていく立場になる。「当たり前の水準も上がりますし、成績を残して当たり前だと思う。そこのプレッシャーに勝てるように、まずは50試合が目標。チーム一丸となって優勝を目指して」。順調にステップアップしてきたセットアッパーが来季へ強い決意を示した。

 年俸は2年連続の大幅アップとなった。昨季は2750万増の4000万円で更改し、今季は4200万増の8200万円。105%アップに「平田さんが査定担当の方に『岩崎さん、ゲラ、石井、桐敷の4人は本当に頑張ってくれた。特に石井と桐敷を上げてやってくれ』と査定担当に言ってくださったみたいで」と大幅増に至った経緯を口にし、感謝した。

 4年目の今季は自己最多の56試合に登板して4勝1敗30ホールド、防御率1・48。勝ちパターンの一角として貢献し、レギュラーシーズン最終戦の10月3日・DeNA戦(横浜)ではプロ初セーブも挙げた。ブルペン陣にとって欠かせない存在だった。

 結果を求められる来季へ向けて、気持ちが引き締まる出来事もあった。今年9月に第1子となる長男が誕生。増額分は「おむつとミルク代の足しにできたら」と笑いつつ、「年々、年俸も変わる職業ですから、もちろんダウンもありますし。仕事をしっかりしたら評価してもらえる職業でもあるので、来年も頑張りたい」と力を込めた。

 愛息のために新たな目標も設定。「本当に最低限の目標というか、(息子を)球場に連れてきて、記憶あるくらいまでは頑張りたい」。マウンドに立つ父の姿を届けるために5年後、10年後も躍動し続ける考えだ。

 来季は入団時に憧れの選手として挙げた藤川監督の下で戦う。「試合に入ったら配球の話とかアドバイスをいただきたい。本当に心強いですし、藤川新監督のために優勝に向かって。力になれるように頑張っていきたい」。5年目となる来季は、頂点奪取への熱情を全身に滾(たぎ)らせる。

 ◆阪神リリーフ投手の主な大幅昇給 直近では、今オフに桐敷が5500万増の8800万円でサイン。今シーズンの桐敷は最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得。また、岩崎優が2021年オフの契約更改で5500万増(9500万円→1億5000万円)を勝ち取った。この年はリーグ2位の41ホールドをマークしたほか、東京五輪でも金メダルに貢献。2022年には、最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した湯浅京己が同年オフの契約更改で4200万増(500万円→4700万円)。2005年オフには、最優秀中継ぎ投手のタイトルでリーグ優勝にも貢献した藤川球児が同年オフの契約更改で5800万増(2200万円→8000万円)でサイン。

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