阪神の藤川球児監督（４４）が７日、来年３月１６日に東京ドームで行われる米大リーグ・ドジャースとのプレシーズンゲームに才木浩人投手（２６）を先発起用すると明かした。指揮官は「ドリームマッチ」にベストメンバーで臨むことを約束。大谷翔平選手（３０）への雪辱に燃える右腕を送り出す。

　夢の一戦に藤川監督も思わず胸を躍らせた。来年３月に実現するカブス、ドジャースとの対戦。「日本のファンの方にとっては『ドリームマッチ』に近いものがあるんじゃないかな。本当に楽しみなイベントになるんじゃないかと思います」と試合を心待ちにした。

　虎党ならずとも注目を集めるのは大谷、山本を擁するドジャースとの一戦。２週間後に開幕を控えることになる藤川阪神にとっても、単なる調整の場ではない。

　「世界で一番熱いタイガースファンも一緒に戦う。ガチンコじゃない方がおかしいでしょ。一番素晴らしいメンバーで、一番のベストオーダーでいかなければと思います。一生で一回、あるかないか（の機会）なんですから」。出し惜しみは一切しない。スタメンに近本、大山、佐藤輝、森下らを惜しみなく並べるつもりだ。

　ドジャース戦の先発には今季自己最多の１３勝を挙げた才木を指名。「うちの最高のピッチャーの一人」と、来季の開幕投手候補を最大限の賛辞とともに送り出す。才木は昨年３月に行われた侍ジャパンとの強化試合で、大谷に左膝をつきながら片腕でバックスクリーンへ３ランを運ばれた。大谷を名指しこそしなかったが「主力メンバーに対して投げたい」と再戦に意欲を示していた。

　藤川監督も右腕の心意気を買った。「プレミアチケットだからどうしよう。お前しかいないよな」と声をかけると「喜んで」と返事が返ってきたことを明かした。才木は来年３月５、６日に行われる侍ジャパンとオランダとの強化試合（京セラドーム大阪）に出場する可能性もある。指揮官は「コンディション次第」としながらも「才木がドジャース戦で投げている姿を見てみたい」と虎党の思いを代弁した。

　世界最高峰との戦いが「選手たちのいいきっかけになってほしい」と飛躍への足掛かりとなることを期待した。才木が大谷にリベンジを果たせば、覇権奪回を目指す藤川阪神が勢いづくことは間違いない。