前阪神・岩田 新天地DeNAで浜地と共闘だ 縁深い同学年と“恩返し虎倒”誓う「リレーできたら一番いい」

 今季限りで阪神を戦力外となり、DeNA入りが決まった岩田将貴投手(26)が新たに誓うのは、阪神から現役ドラフトでDeNA入りが決まった浜地真澄投手(26)とのリレーでの、タイガースへの“恩返し倒”だ。九産大九州出身の岩田と福岡大大濠出身の浜地は高校時代に対戦していただけでなく、同学年であり、担当スカウトも田中秀太内野守備走塁コーチ(47)と共通点の多い2人。今季日本一となった新チームで再び共闘する岩田の思いに迫った。

 岩田と浜地。2人の出会いは高校から始まっていた。九産大九州の岩田と福岡大大濠の浜地は2015年の高2の夏に福岡大会で対戦。ともに先発で投げ合ったが、岩田は浜地に本塁打を放たれるなど0-2で完封負け。「投手としても打者としてもすごかった」と一度の対戦で忘れられない存在となった。

 2度目に会ったのは成人式だった。16年のドラフト4位で先にプロ入りし、体が大きくなっていた浜地を発見。大勢の大学生の一人として「もう二度と会わないと思って」とツーショットをお願いした。岩田が20年の育成ドラフト1位で阪神に入団するまで、直接会うことはなかった。

 岩田が阪神に入団し、トレーナー室で再会。互いに人見知りとあって、言葉ではなくグータッチで久々の再会を喜んだ。高校の段階で、注目度の違いを痛感していた岩田には「やり返したい」という思いももちろんあったが「負けたくないとかじゃなくて一緒に頑張りたい」。浜地の、それまでの4年間のプロ経験に「ライバル意識よりも先に尊敬の気持ちが強かった」と刺激を受けた。

 同学年会が年に一度必ず行われるほど、結束力の高い98年世代。それでも2人だけで食事に行くことはなかった。野球の話もあまりすることはなかったが、昔から知っているからこその心地よい距離感だった。

 つかず離れずの関係のまま出会ってから9年がたち、存在の大きさを確かめられたできごとがあった。岩田が構想外となった日、浜地に電話をかけた。「泣くから言わんとって」。構想外を察知した浜地が最初に口にした言葉だった。頭が真っ白だった中で記憶に残る「意外」な浜地の反応に自身も奮い立った。

 そんな浜地と再び同じチームで切磋琢磨(せっさたくま)する。現役ドラフト当日は公式発表前に「同じ」と、2文字だったが思いの詰まったLINEが送られてきた。「違うユニホームだけどまた同じチームになれるのは何かの縁。うれしいし心強い」。多くの共通点に強い縁を感じより気合が入った。

 岩田はこれまで1軍登板がないものの、2軍では3年連続で40試合以上に登板。今季は防御率2・11だった。浜地は高卒6年目の22年に52試合で防御率1・14とブレーク。今季は18試合の登板にとどまったが、実力は十分だ。「同じ(田中)秀太(スカウト)組として秀太さんのいる1軍で投げたい。浜地と一緒にリレーできたら一番いい」。今度はDeNAの選手として、2人で阪神戦での“恩返し”を目指す。

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