阪神が来季の新外国人として前フィリーズのニック・ネルソン投手（２９）を有力候補に挙げていることが１３日、明らかになった。西宮市内の球団事務所で取材に応じた嶌村聡球団本部長（５７）が「候補の中の上位であることは事実」と語った。

　ネルソンは１６年のドラフト４巡目（全体１２８位）でヤンキースに指名された。メジャーデビューとなった２０年８月１日のレッドソックス戦では３番手で３回無失点と好投し、初登板初勝利を挙げた。２１年にトレードでフィリーズに移籍。２２年は中継ぎで自身最多となる４７試合に登板して３勝２敗、防御率４・８５だった。今季は４試合の登板に終わり、メジャー通算７４試合で５勝４敗、防御率５・２０。１０月にフィリーズからＦＡとなった。

　直球は最速１５８キロを誇る右腕だが、今季は平均球速が約１５２キロにとどまっている。一方で変化球は多彩でスライダー、シンカー、チェンジアップに加え“魔球”ナックルボールも操る。

　阪神は来季の外国人を５人体制とする方針で、残留が決まったゲラ、ビーズリーに加えて最大３人の獲得を目指している。投手では先発、中継ぎの右投手を中心に調査しているとみられ、ネルソンは球団の補強ポイントとも合致する。

　嶌村本部長は外国人獲得について「年内をメドに」と改めて強調しつつ「年を越すかもしれんけど」と越年の可能性にも言及した。覇権奪回のラストピースとなる助っ人を入念に見極めていく。

　◆ニック・ネルソン（Ｎｉｃｋ　Ｎｅｌｓｏｎ）１９９５年１２月５日生まれ、２９歳。米国出身。１８５センチ、９２キロ。右投げ右打ち。投手。ラザーフォード高、ガルフ・コースト州立大を経て１６年ドラフト４巡目でヤンキースと契約。２０年８月１日のレッドソックス戦でメジャーデビュー。２１年オフにフィリーズへ移籍。メジャー通算７４試合５勝４敗１セーブ４ホールド、防御率５・２０。２４年は４試合で勝敗なし、防御率５・０６。