阪神・原口 新しいスタート 残留決断まで悩み抜いた1カ月「すごく貴重な経験」一年でも長く現役
国内フリーエージェント(FA)権を行使して阪神残留を決断した阪神・原口文仁内野手(32)が13日、西宮市内の球団事務所で会見を行い、「新しい自分の中のスタート」と心境を語った。球団とは単年契約で900万増の年俸4000万円で合意。スタメンへの思いも述べ、一年でも長く現役生活を続けてチームに貢献することを意気込んだ。(金額は推定)
原口はすがすがしい表情で丁寧に言葉を紡いだ。「自分の中で納得して、今の決断に至ったので、もう気持ちは来年に向かっているという感じです」。残留を決断したのは前夜18時。悩み抜いた1カ月は、「大事な権利を今年取得できて、行使もさせていただいて、すごく貴重な経験をプロ野球選手としてまた一つ積み重ねることができた」とプラスになった。
岩崎や岩貞、梅野、加治屋(楽天)ら同学年には前夜にLINEで報告した。最初に返信をくれた岩崎からは「よっしゃ」というスタンプ一つだけ。「それでもなんか、いつものスタンプじゃなくて、すごく自分の中ではいろいろ思ってしまううれしいスタンプ一つでした」と笑顔で明かした。
会見場の後ろからは、今季引退した秋山氏も見守っていた。原口は「でかいんで、隠れられていないです」と笑い、「まだまだ僕は負けじと、一年でも長くユニホームを着たい」と力を込めた。
今季は代打の出場が多かった中、FA権行使の際には「スタメンから勝負したい」と語った。今も「野球人としてそういう気持ちを持って、準備をしていくのが当たり前」と気持ちは変わらないが、代打についても「パッと出た時に結果を残さないといけない。与えられたポジションでチームに貢献していく気持ち」とこれからもチームの勝利を一番に考える。
プロ16年目の来季もタテジマに袖を通し、藤川新監督の下で戦う。「ここまで長くいられると思ってなかったですけど、新しい自分の中のスタートだなと。みんなをいい方向に引っ張っていけるような姿勢だったり結果も追い求めて。常勝チームになれるように」。新たな気持ちで後輩たちを引っ張り、再び頂点を目指していく。