阪神・前川 掛布OB会長に3つの約束「打率・280、2桁本塁打、出塁率・350」 背番号は「58」を大事にしたい
阪神の前川右京外野手(21)が22日、大阪市内でのファンクラブイベント「クリスマスパーティー」に参加。掛布雅之OB会長(69)からの「打率・280&2桁本塁打」指令に応えることを意気込んだ。さらに以前から目標としている「出塁率・350」達成にも改めて意欲。入団時からの背番号「58」については「大事にしたい」と思いを明かした。
かけられた期待の大きさを意気に感じた。掛布OB会長からのキーマン指名、そしてノルマ指令。前川はうれしそうに呼応した。
「(記事を)見ました。うれしいです。頑張ります。めちゃめちゃいい数字を言っていただきました」
前日に掛布OB会長が「大きなポイントになると思う」と、来季V奪還の鍵を握る選手に前川を指名。さらに「打率・280」、「2桁本塁打」というノルマも課した。前川の頭の中ではすでにその指令に応えるイメージができている。「打率は好不調をもっと少なくしたら絶対届くと思うので、そこはまず。ホームランは、もうちょっと角度が大きい当たりを打てたら入ると思う」と分析した。
高卒3年目の今季は116試合に出場し、打率・269、4本塁打を記録。球団高卒4年目以内の打率・280、2桁本塁打となれば1976年の掛布雅之以来の偉業となる。「1年間出続ける体力が全然なかった」と、それを達成するために必要と感じているのがスタミナ。143試合出続け、数字を残すためにも今オフは上半身と下半身の連動性向上に取り組んでいる。
目標とする数字は他にも自身で設定済みだ。以前から掲げているのが「出塁率・350」。出塁率・343だった今季は「ボール球をヒットにすることもあったけど、凡打にすることも多々あった」と反省点が見つかった。「見逃したらカウントも整いますし」と選球眼を磨き、出塁率向上につなげたい。
掛布氏からは中軸を支えるポイントゲッターとしての6番打者も期待された。今季主に後半戦で6番に入り、「僕で途切れる時もめっちゃあった」と振り返る。「フォアボールでも何でも、後ろにつないでやったらなんとかなると思う」と“恐怖の6番”になるためにも選球眼は大切にしていく考えだ。
「58を前川の背番号にしたらいい」という掛布氏からのエールもあった。入団時には「6」を熱望していたが、「背番号を変えたら調子を崩すっていうジンクスを聞いた」と苦笑い。「まずは背番号っていうより、結果を残さないといけない立場」と気を引き締めた。
ただ、「58」への思い入れは深い。「入団時にいただいた番号なので、しっかり大事にしたい」と力を込めた。今季セ・リーグで打率・280、2桁本塁打、出塁率・350を達成したのは5人だけ。掛布氏のゲキに応えて高い壁も飛び越え、V奪還へ導く。
◆高卒4年目以内の打率.280&2桁本塁打
2リーグ分立後、規定打席到達者で高卒4年目以内の阪神生え抜き野手が打率.280、2桁本塁打をクリアした選手は3人で1960年・並木輝男(4年目)=打率.306、11本塁打、61打点、出塁率.379。67年・藤田平(2年目)=打率.291、16本塁打、44打点、出塁率.326。76年・掛布雅之(3年目)=打率.325、27本塁打、83打点、出塁率.409。2桁本塁打に限れば藤田は2年目にクリア。掛布も2年目の75年に11本塁打を記録した。また、主な球団高卒野手では新庄剛志が3年目の92年に打率.278(規定打席未満)、11本塁打、46打点。浜中おさむ(当時)が高卒5年目の01年に13本塁打。桜井広大が高卒8年目の09年に12本塁打。