阪神・梅野 巨人移籍の甲斐に「負けん」 アマ時代から交流「乗り越えないといけない壁」
阪神の梅野隆太郎捕手(33)が22日、ソフトバンクから国内FA権を行使して巨人に移籍した甲斐拓也捕手(32)に対抗心を燃やした。福岡大在籍時から交流を持つ1学年下の名捕手に対して「負けないように」と力を込め、来季はチームとしても個人としても、相手を上回るシーズンにすることを誓った。
梅野が敏感に反応した。甲斐の名前を聞くと、同じ捕手としての素直な思いを口にした。「12球団の中で一番というぐらいの経験をしている」。これまでのキャリアに敬意を表した上で続けた。
「まずはチームが勝つために。交流戦で当たる3試合だけじゃなくなったんで。乗り越えないといけない壁というか。乗り越えるために、やるしかない」。能力を知るからこそ、名捕手が加わったリーグ王者・巨人に対する警戒度を強めた。
個人的に意識してきた存在だ。福岡大在籍時に、ソフトバンク3軍だった甲斐と練習試合で対戦したことをきっかけに交流が始まった。プロではリーグが違ったがオールスターでも対戦し、東京五輪の日本代表ではチームメート。「普段(の連絡)はないけど、昔からの付き合いで密に接したり、いろんな話をすることは多かった」。若手時代からプレーを見てきただけに対抗心は強い。
ともに強肩が武器で、梅野は「バズーカ」、甲斐は「キャノン」と称される。梅野は後輩の肩の強さだけではなく、送球へつなげる動きにも舌を巻く。「技術的な部分も本当に優れている。勝負どころでの送球の強さとかは、すごい惹(ひ)かれるものがある」と言う。それでも「チームで戦っていく中で、扇の要のところはほんとに負けんように」。盗塁阻止率など個人成績よりも、チームを勝利へ導く献身的なプレーに強いこだわりを口にした。
この日は岩崎と大阪市内で開催されたファンクラブイベント「クリスマスパーティー 昼の部」に出席した。約240人の参加者に出迎えられ、パーティー開始直後に全員とハイタッチ。声援に感謝し、V奪回への気持ちを新たにした。「対ジャイアンツってのもあって盛り上がるところで、お互いに競い合いながら戦っていけたら」。来オフはファンに喜んでもらうためにも甲斐が加わった巨人には負けられない。