糸井嘉男氏 阪神選手にとって最も重要な12&1月の2カ月間 来春キャンプで臨時コーチ、打者転向時の練習参考になれば
阪神、オリックス、日本ハムで活躍したデイリースポーツ評論家・糸井嘉男氏(43)の「超人目線」。今回のテーマはオフシーズン。現役時代を振り返り、自主トレの重要性を力説。来春キャンプでは臨時コーチを務めることが決まり、日本ハム、オリックスでチームメートだった小谷野打撃コーチと密にコミュニケーションを図り、選手をサポートすると約束した。
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オフシーズン真っただ中ですね。この時期はテレビ出演やトークショー、野球教室などイベント盛りだくさんですが、この12月、1月の2カ月間は選手にとって最も重要な期間です。毎日試合があるわけではありませんし、自分を追い込んで練習できる。僕も現役の頃は技術を高めるため、ひたすら練習していました。
人それぞれ考え方がありますが、僕の場合は1人でやるより、みんなで一緒にトレーニングする方が合っていましたね。年明けは温暖なグアムに行って、ソフトバンク・柳田選手らと合同自主トレするのが恒例でした。
1人じゃないから、気を抜けない。トップレベルの選手と練習することで刺激を受けることもできます。年下の選手でもリスペクトしていましたし、切磋琢磨(せっさたくま)して高みを目指す。プロ野球選手である限り、ユニホームを脱ぐまで、現状に満足することはありませんでした。
もっぱらオフは野球漬けでしたが、藤川監督がおっしゃるように野球以外のことに触れるのもいいですね。僕も陸上やサッカーなど、他競技のアスリートと一緒にトレーニングをして、フィジカル面だけでなく、考え方にも影響を受けたことがありました。充実のオフを過ごして、来季につなげてほしいものです。
僕も来年2月のキャンプ臨時コーチに向けて、勉強しないといけません。実は日本ハム時代の恩師・大村さん(現DeNA野手コーチ)に連絡してみようと思っています。打者に転向した時、大村さんには付きっきりで指導してもらいました。バドミントンや卓球、テニスのラケットを使って「面で打つ」という練習にも取り組みましたし、阪神の選手にも参考になればいいなと感じています。
小谷野打撃コーチも日本ハムのルーキー時代から一緒にやっていますから、気心知れた仲です。すごく勉強熱心な方なので、しっかりコミュニケーションを取って、考え方を共有できたらいいなと思っています。オリックスのコーチ時代には優勝も経験されていますし、そうした話を聞くのも楽しみですね。
今回、藤川監督が声をかけてくれてうれしかったですし、『僕にできることがあれば』と喜んで引き受けさせていただきました。テル(佐藤輝)をはじめ顔なじみの選手、初めて接する選手も含めて、少しでもサポートできればいいなと思っています。とにかく楽しみです!
今年から始まった「超人目線」も年内ラストです。と言っても、来年の元旦からいきなり“あの選手”とデイリースポーツに登場する予定なのでお楽しみに!それでは、よいお年をお過ごしください!