阪神・藤川監督 湯浅の復活待望「彼の心意気とか、成長、頑張りは見たい」 競争前提も言葉の端々に期待「見守るしかない」

 藤川監督が復活を待望する湯浅
 ウオーミングアップをする湯浅(撮影・立川洋一郎)
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 阪神の藤川球児監督(44)が27日、湯浅京己投手(25)の復活を待望し、ゲキを飛ばした。8月に「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化切除術」を受け、リハビリに励みながら来季の開幕1軍を目指す右腕へ「彼の心意気とか、成長、頑張りは見たい」と期待を寄せた。

 約束された定位置などない。居場所は自らの手でつかみ取れ-。藤川監督が湯浅へ真っすぐなメッセージを送った。

 「私情を挟まないとすれば、監督としての立場であれば、それはもう平等に見るしかない。ただ、彼の心意気とか、やる気、その成長というか頑張りは見たい」

 湯浅は国指定の難病を患い、長いリハビリ生活に突入。4年ぶりに1軍登板なしに終わり、藤川監督が戦力発掘を狙いの一つとした11月の秋季キャンプも不参加だった。「私は秋季キャンプに行きましたけど、湯浅という投手は見ていない」。指揮官の突き放したような言葉も“球児流”の叱咤(しった)激励だ。

 「僕もタイガースの人間ですから、心に思うところはありますけど、立場的にここではなかなかお話はできないというところですね」。湯浅の復活を待ち望む一方で、誰かを特別視することはできない。藤川監督はぐっと言葉を飲み込んだ。

 湯浅は再起に向けて着実に歩みを進めている。既にブルペン投球を再開。来年2月の春季キャンプで実戦復帰を果たすプランを描き、「開幕1軍を目指したい」と公言している。22年は59試合に登板し、45ホールドポイントで最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。23年にはWBC日本代表として世界一も経験。実績は申し分ないが、虎の中継ぎ陣の層は厚い。「就任の時に顔とか名前とか背番号とか関係ないと言いましたけど、『戦う』というのはそういうもの」。湯浅といえども、1軍のブルペン入りには競争が前提となる。

 「でも(周囲に)元気は与えてくれるでしょうね。彼の持ってるパワーですね。見守るしかない」。言葉の端々に湯浅への期待がにじむ。はい上がってくる姿を待っているのは、誰よりも藤川監督に他ならない。

 【湯浅ここまでの経過】

 ◆23年11月1日 オリックスとの日本シリーズ第4戦。同点の八回2回一、三塁から1球で中川を打ち取って勝利に貢献。

 ◆同2日 同第5戦。2点ビハインドの八回を無失点に抑え、勝ち投手となる。この試合が直近で最後の1軍登板。

 ◆24年7月10日 ウエスタン・くふうハヤテ戦で最後の実戦登板。

 ◆8月25日 球団が「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化切除術」を受け、同日に福島県内の病院を退院したことを発表。

 ◆同27日 鳴尾浜の屋内でリハビリを開始。

 ◆9月3日 鳴尾浜で術後初の屋外練習。ジョギングなどで汗を流し、術後初のネットスローも行う。

 ◆同16日 鳴尾浜でキャッチボールを再開。15メートルの距離で約30球。

 ◆11月11日 鳴尾浜で術後初ブルペンで10球。

 ◆同15日 鳴尾浜で術後3度目のブルペン入り。捕手を立たせて約30球。軽めの投球で最速122キロを計測。

 ◆同20日 契約更改に臨み、1000万減の3700万円でサイン。

 ◆12月3日 鳴尾浜で術後2度目の捕手を座らせてのブルペン投球。8割の力感で20球。

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