阪神・ドラ1伊原 原点の地で刻んだ“大商大”魂 部訓「負けられません、勝つまでは」母校で自主トレ

 自主トレを公開し、キャッチボールをする伊原(撮影・田中太一)
 練習後、“必勝だるま”を横にポーズを決める伊原(撮影・田中太一)
 今年の目標を掲げる伊原(撮影・田中太一)
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 阪神ドラフト1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=が3日、奈良県香芝市内の大商大関屋グラウンドで自主トレを公開した。ランニングやウエートでケガをしない体作りを重要視。2年前に指名漏れを経験した、プロ入りの“原点”ともいえる母校の大商大で、プロでも勝ちにこだわることを誓った。

 早朝の肌寒いグラウンドで伊原は黙々と自主トレに励んだ。1月3日は毎年恒例、大商大野球部の始動の日。太田(楽天)や大西(ヤクルト)ら大商大OBとともに約2時間、キャッチボールやランニングなどで汗を流し、改めて“大商大魂”を胸に刻み込んだ。

 「とにかく勝ちたい、負けたくない。チーム的にも個人的にも、そういう気持ちを強く持てたのはこの大学だと思う。ここに来たら身が引き締まる」

 大学時代の教えを常に心に留めていた。「負けられません、勝つまでは」。恩師である富山陽一監督の格言であり、部訓だ。社会人はもちろん、プロでも忘れまいと新しいグラブにもその文字を刺しゅうした。

 何事にも勝ちにこだわるのが大商大流だ。新年に引くおみくじでは「『大吉を絶対持ってこい』って毎年言われているんです」と大吉が出るまで引き続け、自ら勝ち運をつかみにいく。今年は末吉だったが、再度引きに行くという。

 「負けなければ勝ち続けられる。それは大学の時もそうでしたけど、チームで勝ち続けられればリーグ優勝、日本一に一番近づいてくると思う」。大学時代から勝つことにこだわり続けてきたからこそ、プロでも人一倍強い思いで臨む。

 新年のカウントダウンは智弁学園高校2年から決まって地元から近い橿原神宮で行う。橿原神宮は創建した神武天皇が127歳の長寿を全うしたと言われており、健康と延寿が象徴の神社。伊原もケガをしない体作りによって長く投手人生を歩むことを理想とする。

 「長くできたらいいなと思いますけど、本当に1年勝負なんで」と日頃の積み重ねが“長生き”に直結すると考える。「走るのは大事。監督さんからも投手は走るのが仕事だって言われてたんで。ウエートもケガの予防だったりとか」。毎年安定した結果を残すために、体のコンディションを整えることの大切さを語った。

 現在は主にランニングのメニューなどをこなし新人合同自主トレ、キャンプへの準備を着実に進めている。「キャンプでもしっかり結果を出せれば1軍も近づくかなと思う」。指名漏れを経験した“原点”の地で、輝くルーキーイヤーを見据えた。

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