侍・井端監督 26年WBCへ虎侍の森下&才木への思い 前川の3月強化試合抜てき示唆 大谷は二刀流「期待」
野球日本代表「侍ジャパン」の井端弘和監督(49)が、デイリースポーツの新年インタビューに応じた。26年開催の第6回WBCでの世界一連覇に向け、昨年11月の「プレミア12」で躍動した阪神・森下翔太外野手(24)、才木浩人投手(26)ら国内組に期待感を示し、二刀流のドジャース・大谷翔平選手(30)への思いなどを語った。また阪神・前川右京外野手(21)を3月のオランダ代表との強化試合(京セラ)で抜てきする可能性を示唆した。
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-昨年を振り返って。
「プレミア12では優勝を目指し、決勝で負けた。大いに反省しないといけない。それを次のWBCには必ず生かさないといけない」
-プレミア12では若い選手を起用した。
「野手も投手も持っている力を十分発揮してくれた。打線ももっと苦労すると思ったけど、(完封負けの)決勝以外はある程度、活発で得点することができた」
-打線では森下を全9試合4番で起用した。
「プレッシャーもあるし最初はどうかなと思ったが、最後まで全うしてくれた。例えば不調でも試合になったら、自信を持って打席に立っていた。そういうのも含めて4番に据えた」
-今季も期待できる。
「阪神ファンが納得する成績を出してくれると、僕も期待しています。試合を決める一打や試合の流れを変える一打が1試合でも多く出るシーズンにしてほしい」
-森下の26年WBC出場に向けては。
「十分、期待感を持てるプレミアだった。(WBC日本代表の)メジャー組は外野は何人かいます。そこと勝負してほしいと思ってます」
-投手では侍初招集の才木がプロ初の中5日を含め2試合に先発した。
「角度あるストレートと落差のあるフォークは十分通用することが分かりました。(中5日は)初めてのことで申し訳ないと思った。(2試合とも)ボールの勢いも変わらなかった」
-成長した点は。
「阪神の主力でやって責任感が出てきた。物おじしない。楽しんでいる。大舞台でもつぶされることなく十分やれる選手だと思いました。(今季も)さらに飛躍してくれると思います」
-今季も楽しみ。
「ホップ、ステップなのか。ホップだけなのか。ホップ、ジャンプでもいいと思う。間違いなくその段階には来ている。十分準備は整った」
-23年3月の強化試合で大谷に本塁打を打たれた才木は3月のドジャースとのプレシーズンゲームで先発する予定。
「(プレミア12の宮崎合宿中に)『次(のWBCは大谷と)同じチームなのか。また対戦した時は今度は空振り三振にするとか、そしたらまたドラマだね』と本人には伝えました。次(才木がWBC日本代表に)入ってくるということは、大谷選手も来れば同じチームになる。それもまた見てみたい」
-大谷は26年WBCに向けてどんな存在か。
「世界を代表するナンバーワンの選手。そこを目指している選手が日本にもたくさんいます。その象徴であるのは間違いない。前回同様、来ていただけるならチームをどんどん引っ張っていってほしい。引っ張らなくてもみんな、つられていくと思います」
-大谷は今季、投手として復帰する予定。
「(投手としての)状態もしっかり見ていけたらいいなと思います。まだ投げていないので、本人とも十分話をした上で、(投手と打者の)両方良ければ両方で期待したいと思ってます」
-25年の漢字は「新」を選んだ。
「新たに世界一に向けて戦う。負けて気持ちを新たにと捉えてもいい。どんどん新戦力も出てきてくれればありがたい」
-阪神にも若虎がいる。3月のオランダ代表との強化試合で見てみたい選手は。
「前川、面白いですよね。(3月に侍入りする)可能性あると思いますよ。あの世代ではナンバーワンのバッターと思ってドラフト前から注目していた。順調に来ている選手。思い切りの良さがある。阪神はドラフトで取った選手が育っていますので、注意深く見ておきたい」
-25年はWBC前年。どういう準備をしていきたいか。
「まだ選手は1シーズン、ありますしね。そこでまた良い成績を出して代表に選ばれたいと、なってくれればいいかなと思います。その中で大きなケガさえなければ、こちらとしてはありがたい」
-26年WBCに向けた意気込みは。
「優勝を目指して、頑張ろうと思っています」
◆井端 弘和(いばた・ひろかず)1975年5月12日生まれ、49歳。神奈川県出身。現役時代は右投げ右打ちの内野手。堀越から亜大を経て97年度ドラフト5位で中日入団。14年に巨人移籍。15年に現役引退し巨人の1軍内野守備走塁コーチに就任。23年10月に野球日本代表「侍ジャパン」監督就任。24年プレミア12で準優勝。現役通算成績は1896試合で打率.281、56本塁打、510打点、149盗塁。ベストナイン5度、ゴールデングラブ賞7度。13年WBC日本代表。