阪神・ドラ1伊原 新人王へ鳥谷イズム吸収 レジェンドOB講演で5つの極意伝授「非常にプラス」 中日・金丸に対抗心
阪神のドラフト1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=が10日、都内のホテルで開催された「NPB新人選手研修会」に参加し、球団OB・鳥谷敬氏(43)の講演から刺激を受けた。目標設定や時間の使い方など、早速実践していくことを宣言。この日は12球団の新人選手121人が集結し、中日・金丸にも「いいライバルです」と対抗心を見せた。目標は新人王。大先輩の金言を胸に“レジェン道”を歩む。
プロ野球界の歴史と伝統に触れ、伊原はピンッと背筋を伸ばした。午前中には野球殿堂博物館を見学。23年のWBCで大谷翔平(ドジャース)が着用したユニホーム展示の前で足を止めた。「本当にいい時間でした」と将来像を描き、午後はレジェンドOBの言葉に聞き入っていた。
「鳥谷さんが経験されたお話を聞ける機会というのは本当にない。自分にとっては非常にプラスになったなと思います」
鳥谷氏は12球団の新人選手を前にプロで戦う「5つの極意」を伝授した。40歳で現役引退するまでに通算2099安打を記録し、遊撃手として歴代1位の667試合にフルイニング出場した鉄人。「(1)目標設定(2)時間(3)数字(4)個人の役割(5)終わりを考える」と項目を分け、一日一日を大切に過ごしていくよう求めた。
鳥谷氏は「思っているよりもプロ野球選手、大変だよっていうのを伝えたかった」と笑うが、中でも伊原の胸に響いたのは「時間の使い方」だった。「人それぞれで時間が違う。休養も大事だし、練習も大事。自分に任されている時間を、どう野球に生かせるかが大切だと思う」。先輩の言葉と左腕の考えが一致したことで、プロとして第一歩を踏み出す覚悟が決まった。
会場を見渡せば120人のライバルがいる。DeNA1位の竹田(三菱重工West)、オリックス4位の山中(三菱重工East)、中日4位の石伊(日本生命)ら、社会人組と旧交を温めながら「良きライバルとして刺激をし合えば、これからの野球にもつながる」と共闘を誓う。目標は新人王。避けて通れない相手が中日の1位・金丸(関大)だ。4球団が競合し、阪神も1巡目で入札した左腕。比較される立場は理解している。
「大学も同じ関西のリーグ。対戦はたくさんありましたし、どういう投手か見ていた。すごいなと。吸収できることは吸収したい。とてもいいライバルですし、僕としても成長できる1人です」
8日から新人合同自主トレが始まった。藤川監督は「焦っても仕方がない」と、新人全選手の2軍キャンプスタートを示唆。それでも左腕は「その日、その日が勝負」と、初陣となる2月15日の練習試合・楽天戦(宜野座)登板を見据える。「とにかく自分のやるべきことを、しっかりやることが大事になる」と伊原。目と耳でプロ野球界の一流に触れ、レジェンドに続く道を力強く駆ける。