阪神・伊藤将 超速仕上げ 昨季オープン戦での反省生かし「万全な状態でキャンプに」
阪神・岩貞祐太投手(33)と伊藤将司投手(28)が13日、福岡県内で、阪神からDeNA入りした岩田将貴投手(26)と自主トレを公開した。階段ダッシュやブルペンにも入るなど、ハードなメニューで汗を流した。伊藤将は今オフ、フォームの改善を徹底。0勝3敗、防御率5・00だった昨季オープン戦での反省を生かし、“ハイペース調整”でキャンプから猛アピールを誓う。
球が一直線にミットに吸い込まれていく。形を落とし込んでいる途中とはいえ、ひと目で分かるフォームや球の違いに伊藤将自身も手応え十分。昨季オープン戦での失敗を二度と繰り返さないためにも、“早期完成”を目指す。
「スタートも自分の中では去年より早く始めていたんで、去年よりはちょっと早く仕上がってる状態かなと思う」
昨オフは1月の自主トレ開始から調整を進めていたが、今オフは12月後半からキャッチボールを行うなど前倒し。「去年のシーズンは良くなかったんで、早く状態を作って、万全な状態でキャンプに入れたら」と明確な理由を口にした。
昨季は18試合で4勝5敗、防御率4・62。オープン戦では0勝3敗、防御率5・00と序盤から苦しんだ。早くに完全状態を作ることで、キャンプ中の対外試合やオープン戦でも「しっかり投げられる。いい状態でアピールできたら」と開幕までの期間に全力でアピールする意気込みだ。
その中でも力を入れているのがフォームの改善だ。「右腕を上げる動きがあると、リリースが遅れて出てきてしまう。低くすれば、右腕の回収も早くスムーズにいける」。右腕の高さと左腕のリリースポイントの低さ。改善点は大きく2つあるという。
今まで頭より高く上げていた右腕を顔の高さに下げる。写真などで10勝を挙げた23年の腕の高さを分析し、「去年は結構上がっていた」と脇腹辺りに右腕を持ってくる意識で投げているという。
左腕のリリース位置を頭の上から振り下ろしていたが、そこからさらに下へ「たたきつける」意識で素早い動作を手に入れる。「そこをうまく固めていけたら」と完全習得に息巻いた。
「岩貞組」で自主トレ3年目。岩貞は「かなりいい状態」と左腕を評価した。「波がないように。試合を作れるっていうところをしっかりやっていきたい」と伊藤将。抜かりない準備で、キャンプから仕上がった“NEW将司”を見せつける。