【デイリー阪神担当イチオシ選手・野手編】ヘルナンデス、条件ピタリ/大山、再び美酒へ/中野、覚悟は本物/井坪、高い対応力/前川、勝負の1年
藤川新監督の下、V奪回を目指す阪神の春季キャンプが2月1日に幕開けとなる。沖縄県の宜野座村とうるま市具志川で行われるキャンプを前に、デイリースポーツの阪神担当が、イチオシ選手を紹介する。
【ラモン・ヘルナンデス内野手】
球団幹部が「探すのに苦労した」というヘルナンデスをイチオシ選手に挙げる。今オフ、球団は助っ人補強に複数パターンを用意していたが、昨年11月下旬に国内FA権を行使していた大山が残留を表明してから一塁、三塁、左翼を守れる選手に一本化。ただ、条件にピタリと当てはまる外国人選手はなかなかいない。一塁・大山、三塁・佐藤輝はチームの主軸。左翼にも伸び盛りの前川がおり、メジャーで実績のある選手を獲得するわけにはいかなかったのだ。
昨季メキシカンリーグでプレーしたヘルナンデスを推したのは、あのマウロ・ゴメスだという。来日1年目の14年に打率・283、26本塁打、109打点をマーク。昨年はドミニカ共和国でのトライアウトでコーディネーターを務めるなど真面目な人柄で信頼も厚い。そんなドミニカンの推薦だけに期待を抱かせる。
宜野座でも自慢のパワーで柵越えを連発してくるはず。守備力もしっかりチェックしたい。(デイリースポーツ・杉原史恭)
【大山悠輔内野手】
大山悠輔の名前を聞くと、勝手ながら「酒」が浮かぶ。ただ、酒豪ではないだろうし、お酒を飲むイメージも全くない。
昨年11月。巨人担当として阿部監督のトークショーに同行した。「デイリー」と呼ぶ僕の前で、国内FA権を行使した大山にラブコール。少しお酒も入った席では魅力をたっぷりと語りながら、「世紀の大FAの先駆者になってほしい」とまで言った。入団当時から見ていた選手だけに、なんだか少し誇らしかった。
残留か、移籍か。心は揺れたはずだ。それでも阪神に残るという予感があった。あれは22年オフ。新井良太氏(現広島2軍打撃コーチ)の阪神退団が決まり、西宮市内にある居酒屋で少人数の送別会が開かれた。大山は開始予定の10分以上前に到着。玄関外でプレゼントを胸に抱え、師と慕う同氏の到着を待った。律義な男の姿が胸に残る。
「阪神で優勝、日本一を目指したいです」と残留を決めて臨む新シーズン。秋には、美酒に酔う姿を楽しみに待ちたい。(デイリースポーツ・田中政行)
【中野拓夢内野手】
今年は覚悟が違う。中野の言葉の節々から燃える思い、強い気持ちが感じられる。「今年は何としてもやり返すという気持ちを持っている」。昨年の悔しさからバットを振る量を倍近く増やし、自主トレでは手にマメができるほどの数をこなしていた。
昨年からの改善点も理解し、フォーム変更にも着手。「フォームを固めることに重きを置きながら、このキャンプでも数を打ちたい」。昨春、昨秋のキャンプでも朝一番のランニングを敢行。時間をかけて練習をする選手だが、今年の宜野座は打って打って、打ちまくる1カ月になりそうだ。
普段から選手会長としての責任感は強いが、今年の言葉からは“違和感”を覚える。「引っ張っていくことは意識せず」とよく言うからだ。その理由は自身の技術向上を最優先しているから。「個人として昨年の反省があるので、やるべきことが多い」。この覚悟、本物です。(デイリースポーツ・今西大翔)
【井坪陽生外野手】
高卒3年目で初の宜野座組(1軍)スタートとなった井坪のブレークに期待したい。独特なフォームから見せる、19歳とは思えない対応力の高い打撃が魅力だ。1年目はウエスタン前半戦で打率3割を超える打撃センスを発揮した。昨季も1軍昇格こそなかったが、ウエスタン105試合に出場し打率・275と着実な成長を見せた。
存在感が光ったのが秋季キャンプ。紅白戦で適時打を放つなど結果を残し、藤川監督からは「走塁、それから守備、打撃でも非凡なものがありますからね」と絶賛された。
入団時は「トリプル3・5(打率3割5分、35本塁打、35盗塁)」の目標を掲げ、テーマとして取り組んでいるのが「走攻守レベルアップ」。オフは地元の東京・八王子でトレーニングに励み、ベスト体重をキープしつつ、体脂肪率を落とした。「もちろん開幕も狙ってるんで」と見据えるのは初の開幕1軍入り。金の卵が新戦力として名乗りを上げる。(デイリースポーツ・山村菜々子)
【前川右京外野手】
レギュラー奪取を狙う4年目・前川のスタートに注目したい。昨季は成績を大きく伸ばし、さらなる飛躍が期待される今季。持ち前の打力だけでなく、守備力向上も目指している。井上、野口といった年齢の近いライバルにも総合力で勝つ。
オフは三重出身のつながりもあり、3年連続ゴールデングラブを獲得している中日・岡林と自主トレを行った。「守備が良くなったら長く使ってもらえる」と名手の教えに真剣に耳を傾けた。「キャンプでやったらまた変わると思う」と継続して取り組む姿勢。首脳陣にも成長した姿を見せたい。
また、1年間を戦い抜く体作りとして上半身を重点的に鍛え上げた。体重も5キロアップと、一回り大きくなった。キャンプへ向けて準備は整った。「今年(成績が)落ちたら意味がない。昨年以上に大事になる」。真のレギュラーをつかみ取る、勝負のシーズンに向かっていく。(デイリースポーツ・滋野航太)
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