阪神・門別 5回完全に米驚がく 誠也「すごくまとまったいい投手」 NPBより先にMLBから衝撃“1勝”
「プレシーズンゲーム、阪神3-0カブス」(15日、東京ドーム)
20歳がメジャーに衝撃を与えた。先発の阪神・門別啓人投手(20)が5回を完全投球。まだプロ初勝利を挙げられていない左腕が、カブスを相手に“初勝利”を飾った。カウンセル監督や対戦した鈴木からは絶賛の嵐。これで今年の実戦は20回連続無失点となり、登板が有力な開幕2戦目の29日・広島戦(マツダ)へ順調に歩みを進めている。
テレビ越しで見ていたスターたちが目の前にいる。ビジョンにはアルファベットが並び、球場内にはアップテンポなBGM。そんなメジャー仕様に門別はワクワクが止まらなかった。
「本当に楽しくてあっという間の時間でした。緊張感もなく、素直に楽しめたので、良かったです」
4万1978人の大観衆の中、持ち前の強心臓が光った。「独特なタイミングの取り方だなと。遅い感じがあった」と日本の打者との違いを感じながらも、強打者を初回から圧倒した。ハップを初球の直球で右飛。続く鈴木は初球の直球を痛烈なライナーとされたが中飛に打ち取った。23年にシルバースラッガー賞に輝き、メジャー通算125本塁打のタッカーも直球で左飛に押し込んだ。
門別にとって夢のような対決の数々だった。「ジャスティン・ターナーさんとかはすごい見てもいたので、すごい楽しかったですね」。メジャー通算1580安打&198本塁打を誇る4番・ターナー。二回はフォークで遊ゴロに打ち取ると、五回は内角高めの直球で右飛に。あこがれのスターでさえもねじ伏せる圧巻の投球だった。
刺激を受けた打者は他にもいる。「一番…なんて言うんだろう、すごかったなって思ったバッター」と挙げたのが鈴木の名前。初回に続き四回も直球で中飛に仕留め、2打数無安打に。それでも「守備陣のおかげでアウトにはなりましたけど、全ていい当たりだった」と脱帽。「ああいうバッターをしっかり押し切るようなストレートを投げられるようにもっともっと練習しなきゃいけない」と励みになった。
ただ、終わってみれば5回完全と圧巻の内容。「終わって初めてノーヒットだったことに気がついた」と話すほど集中していた。プロ0勝の20歳左腕が見せた快投はカブスを驚かせた。鈴木は「まとまりがあって、カブスも打てていなかった。すごくまとまったいい投手という印象」と称賛。カウンセル監督は「投球も非常に良かった。ストライクを上手に取られた、取ってきた。そんな投手でした」と評価した。
これで今年の実戦は20回連続無失点に。先発が有力な開幕2戦目の29日・広島戦(マツダ)へ視界は良好だ。「しっかりコースをつけてコントロールできたのはシーズンにつなげて。あとはボールの強さだったりをシーズンに合わせて上げていけたら」。忘れられない一戦、そして大きな自信になった一戦。あどけない笑顔にも、どこか頼もしさが漂ってきた。
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