真っ直ぐの方が自信があります
金本「見ていると球種が多いよな。本人としてはどうなの?高いレベルでやるために、少しでも球種が多い方がいいという考え方?」
藤浪「変化球は遊びで覚えることが多いんです。遊び感覚で投げている中で、これは使える!と取り入れたこともあります。高校の時は試合で必要ないと感じたらツーシーム、チェンジアップは投げていませんでした」
金本「ブルペンでツーシーム投げてたよな。あくまで印象だけど、逆に半速球で高めにいった時に、オレは要らないんじゃないかなという気がしたよ。遊びでやっていると聞いたから、いいと思うけど。ツーシームは左打者には有効なこともあるけど、その前に、もっと真っすぐとスライダーを磨いてほしいという思いはあるな。磨いているとは思うけどね。こんなに背があって、160キロ近い真っすぐがあるんだから、そこをグングン伸ばしていく方がいいと思う。ホームランバッターがセーフティーバントの練習をしているように感じたからさ(笑)」
(続けて)
金本「で、オレを相手に、どう攻める?」
藤浪「やっぱり、基本は外で攻めます」
金本「最後は内でドンか?」
藤浪「はい。最後はインコースで」
金本「プロでそういう場面になってくると、ツーシームというのは要らない。このケースでは1点取られたら終わりでしょ。当てられたら、ボテボテでも1点入るわけでね。そういうことも今後勉強すると思うけど、三振取る力があるんだから、三振を狙ったらいいと思うよ」
藤浪「はい」
‐金本氏は現役時代、高卒1年目の投手と対戦する時に、どういう気持ちで打席に入っていたのか。
金本「ダルビッシュとかマー君とか唐川とか、高卒1年目で即戦力と言われる投手と対戦する時は、こっちも興味があるから、気合入れたよ。格好いい言い方をすれば、プロの厳しさを教えてやろうかなって。そこで、マー君に思いっきり抑えられたけどな(笑)。こっちも4番だから、向こうも気合入れてガ~っときとったからさ。オレも何じゃこのクソ1年野郎って思ってね(笑)。打者はそういう感じでいくから。それに負けないようにな」
藤浪「はい!」
金本「オレが対戦するなら、藤浪の何を狙うかな。まず、シュート系を引っ掛けないように注意するよな。外からくるだろうから、その外のボールを三遊間かショートの頭くらいを狙うね。一番嫌なのは、ひざ元のスライダー。藤浪は、左打者から三振取る自信ある?」
藤浪「高校の時はそうですね。カットボールが曲がりやすくて高速スライダーみたいな感じになるので、そのボールで左打者を三振に取ることはできました」
金本「真っすぐで三振は取れた?」
藤浪「はい。夏は結構取っていました」
金本「真っすぐと変化球、どっちが自信ある?」
藤浪「やっぱり、ここ一番になった時は、真っすぐの方が自信があります」
金本「そう。そういうピッチャーになってほしいね」