大の阪神ファンになったキッカケ…沖縄キャンプで運命の出会い

 早いもので1月も、もうすぐ終わろうとしている。とうとう野球ファンが“冬眠”から目覚める時期がきた。2月1日はみんなが待っていたキャンプイン。多くのチームが沖縄でキャンプを過ごすが、僕もNPBを知るきっかけが沖縄だった。それだけではなく、阪神愛が深まったのも同じ南国での出来事がきっかけだ。

 実は、僕の日本での生活は沖縄でスタートした。来日して数年後に沖縄・読谷村という町に住んでいて「チュウニチドラゴンズ」という球団名を初めて耳にした。それは、読谷にある僕の一番好きなレストランが、2月になったら隣接のホテルで宿泊している中日専用の食堂になり、一般の人は1カ月間レストランが利用できない。思えば、あれからドラゴンズが苦手になっている。

 その約5年後、宜野湾市に住んでいた時に、野球が大好きな友達に「ベイスターズのキャンプを観に行こう!」と誘われた。ブルペンの近くまで行って、選手が登場するのを待っていたその時、ロックスターのオーラを発する外国人選手が堂々とブルペンに近寄っていた。プロ野球を知らない僕にとっては、あの人は誰であるか全くわからなかったけど、主力選手であることは間違いなかった。隣の女性のファンがキャーキャーと声を上げてたので僕まで緊張した。女性ファンとツーショット写真を撮ってから、待っていた僕らの方をチラッと見ることもなく、ブルペンに入った。思えば、その時からクルーンや横浜を好きになれなかった。

 NPBのイメージは良くなかったけど、関西に移ってきた僕は、2014年に周りの影響で少しずつ阪神が気になってきていた。そして以前の“苦い”経験にも関わらず、16年2月に沖縄のキャンプに行こうと決断した。ある日、昔の仲間と再会する予定を設け、その人の好きなレストラン「オブリガード」(現・エスパーザ~タコスアンドコーヒー~)で待ち合わせ。僕が先に着いたので、テーブルを見つけて座った。

 友達に「店にいるよ」とメールして入り口を見たらなんと、メッセンジャー、ゴメス、マテオ、ヘイグ、オマリーがお店に入ってきた!興奮のあまり、レストランの玄関まで出迎えに行った。全員と握手を交わしてからこう思った。『彼らはゆっくり食事が取りたいだろうな』。そしておとなしく自分のテーブルに戻った。1時間ぐらい経つと、僕はまだ友達と盛り上がっていたが、あの5人組は気になって仕方なかった。彼らが帰ろうとしていた時、今しかない!と思って、写真を一緒に撮ることを頼みに行った。僕のリクエストに快く応えてくれたことは一生忘れない。大の阪神ファンになるきっかけを作ってくれた瞬間でもあった。

 またキャンプに行きたいなー。ただでさえ沖縄は最高の場所。その上、大好きな阪神タイガースの選手に声をかけることができ、近くで動きを観察できる。そんな場所は他にないと思う。

 ◆トレバー・レイチュラ 1975年6月生まれ。カナダ・マニトバ州出身。関西の大学で英語講師を務める。98年初めて来日、沖縄に11年在住、北海道に1年在住した。兵庫には2011年から。阪神ファンが高じて、英語サイト「Hanshin Tigers English News」(http://www.thehanshintigers.com)で阪神情報を配信中。

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