息子たちを“立派な虎党”に育てたい…カナダ人のボクが掲げる目標です
“虎オタク”を自認するボクには壮大な夢がある。将来2人の息子(長男5歳、次男2歳)に立派な虎党になってもらうことだ。実はそんな父親の夢を知ってか知らずか、長男は着実にタイガースへの関心を高めている。
長男がまだ2歳だったころ、ちょうどボクが阪神愛に目覚めたころ。選手を応援するときに歌うヒッティングマーチを必死に覚えようと口ずさんでいたのだが、ある時から寝かしつける際に「歌ってよ」と子守唄代わりに応援歌をリクエストされるようになった。そのうち虎党の聖歌「六甲おろし」を親子で毎日歌うのが日課になった。
そのころの長男は当然ながら、歌詞の意味は分からない。また、どの選手を応援している歌なのかもわからない。阪神の選手を応援する歌というよりも、単純に歌を楽しんでいた。アルファベットや数字に興味を持っていたため、初めて甲子園で観戦したときは、得点、背番号、選手のローマ字をひたすら追っかけていた。野球のプレーまで興味を持つことはなかったが、甲子園の雰囲気を楽しんでいたのは確かだった。
それが先日、甲子園で試合を観戦したとき、進歩が見られた。こどもの日、そう福留選手が劇的なサヨナラ弾を放ったあの日だ。試合の展開にも興味を持つようになり、サヨナラの場面では大きな声を出して喜んでいた。父親としては、その長男のうれしそうな顔を一生忘れないと思う。試合中、ボクは阪神の野手が失策を犯したときに野次ってしまい、訳がわからず「ダディー、どうした?」と心配そうな顔つきも見せていたが…。
チームは開幕時点と比べたら大きく成長しているように感じる。やはり矢野監督が掲げた目標の1つである「誰かを喜ばせること」は実現しつつあるのかも知れない。できれば今シーズン、息子たちに優勝のシーンを見せてやりたい。
◆トレバー・レイチュラ 1975年6月生まれ。カナダ・マニトバ州出身。関西の大学で英語講師を務める。98年初めて来日、沖縄に11年在住、北海道に1年在住した。兵庫には2011年から。阪神ファンが高じて、英語サイト「Hanshin Tigers English News」(http://www.thehanshintigers.com)で阪神情報を配信中。