阪神ドラ1佐藤輝で思い出す永遠のヒーロー カナダのとある街中に“魔法をかけた”選手

大活躍を続ける佐藤輝。永遠のヒーローになる可能性にあふれている
このユニホームで夢中になってセランネ選手を応援していました
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 早くも阪神ファンの心を鷲掴みにしているのがドラフト1位の佐藤輝明選手。豪快なホームランだけでなく、その振る舞いもルーキーであることを忘れさせるぐらい落ち着いている。オーラや活躍は阪神ファンだけじゃなく、世界中にワクワク感を与えているんじゃないかな。そんな彼を見ていると、カナダで暮らしていた高校時代に憧れた、あるスーパースターを思い出す。

 時は1992年。街全体に魔法をかけているような選手がいた。NHLのウィニペグ・ジェッツに入団したフィンランド出身のティーム・セランネ選手だ。彼以前の新人得点記録は53ゴールだったんだけど、彼はなんと76ゴールをマークした。その記録は今も破られていない。新人に限らず、あれからシーズン76ゴールの選手自体が現れていない。

 ちなみにセランネ選手は1年目の背番号が13。だけど「13日の金曜日」などの例があるように欧米では縁起の悪い数字だったので、2年目以降は佐藤選手と同じ「8」を背負った。彼のユニホームを身に着けるファンは数え切れないほどいて、僕もその1人。街の隅々まで、当時の話題はセランネ選手一色だった。今でもウィニペグでアイスホッケーの話をすると、必ず「セランネ」の名前が出てくる。彼は永遠のヒーローだ。そして、僕にとっての佐藤選手は早くも“セランネ級”のスーパースターになりつつある。

 すでに佐藤選手は阪神で最も注目される選手だが、球界全体での注目度もかなりのもの。あまり野球を知らない人もその名を知る存在になっているかもしれない。類い稀なるスター性は、野球界では「大谷翔平クラス」と言ってもいいんじゃないだろうか?

 佐藤選手ばかりに注目してしまうけど、阪神はこの10年間のドラフト1位ですごい選手を獲得している。近本選手は長嶋さんの新人安打記録を塗り替えたし、高山選手は新人王を獲得した。甲子園春夏連覇を達成した藤浪投手も鳴り物入りで入団した。このように毎年有望なドラフト1位ルーキーが入団しているけど、やはり生粋のスラッガーである佐藤選手の魅力は特別に感じてしまう。

 このままだと今季は特別な年になりそう。そして佐藤選手は、より特別な選手になりそう。と言うより、正直言って目が離せない。ずっとこの“輝いテル”スーパースターを見ていたいなぁ。

 ◆トレバー・レイチュラ 1975年6月生まれ。カナダ・マニトバ州出身。関西の大学で英語講師を務める。1998年に初来日、沖縄に11年在住、北海道に1年在住した。兵庫には2011年から在住。阪神ファンが高じて、英語サイト「Hanshin Tigers English News」で阪神情報を配信中。

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