バース氏も絶賛「なんていうところだ」「全てが最高」 カナダ出身の筆者が「日本で一番好きな場所」
カナダ人の筆者は大学で英語講師をしている。普段から学生に「日本で一番好きな場所は?」とよく尋ねるんだけど、返ってくる答えは大概が本人の故郷。人ってなぜか自分の町を贔屓目で見る。筆者も「先生は?」と聞かれると、西宮在住ということもあって地元の「甲子園球場」と答えてしまう。
歴史ある希少な球場だし、シンプルにめちゃくちゃ綺麗。だから常々、甲子園球場を世界中に知ってもらいたいと思っている。8月1日に100周年を迎えた球場はもちろん、隣接する「甲子園歴史館」への思いも同じ。この歴史館、いつ入場しても鳥肌が立つし、勉強になるし、感動する-。筆者の贔屓目でそう感じているのかと思っていたけど、実際に〝他の人たち〟にも絶賛されていたので紹介したい。
今春、アメリカ・ニューヨーク・クーパーズタウンからの訪問者があったそう。アメリカ野球殿堂博物館でお馴染みのクーパーズタウンだ。その館長が阪神甲子園歴史館を見学して、展示物の豊富さ、そして展示方法に大きく感銘を受けていたという。やっぱり贔屓目じゃなかったんだ!アメリカの野球殿堂博物館の館長でさえ、甲子園歴史館に感銘を受けているんだから。
もう一つエピソードがある。8月1日、筆者はスペシャルゲストと一緒に歴史館を訪れた。その方の名はランディ・バース。甲子園100周年を祝うために来日し、セレモニーの前に歴史館に初めて入館したのだった。
私は当日、バース氏の通訳として同行。展示物の説明が日本語のみなので、見学するバース氏に説明していた。館内は一般のお客さんでいっぱい。皆、当然のようにレジェンドの降臨に気付いた。バース氏はというと、写真を撮るお客さんに快くポーズしたり、握手したり、時には会話を交わしたりして、非常に面白い経験だった。
そして、歴史館を出るや否やバース氏からは称賛の言葉が止まらなかった。「なんていうところだ」「全てが最高だった」「非常に良くできてるね」。その後、球団関係者への挨拶時にも歴史館への感動を伝えた。グラウンドでのセレモニー終了後の囲み取材でも、歴史館についてコメント。バース氏があそこまで好印象を受けてくれるなんて…隣で彼のコメントを聞くたびに胸が躍った。
筆者の贔屓目なしに「甲子園歴史館」は世界トップクラスだった。そう思うとすごく誇らしいし、もっと遊びに行きたくなる。そして、世界中の人たちに筆者の「日本で一番好きな場所」を訪れてもらいたいと、より強く思った。
◆トレバー・レイチュラ 1975年6月生まれ。カナダ・マニトバ州出身。関西の大学で英語講師を務める。1998年に初来日、沖縄に11年在住、北海道に1年在住した。兵庫には2011年から在住。阪神ファンが高じて、英語サイト「Hanshin Tigers English News」で阪神情報を配信中。