阪神園芸とイニエスタ
【7月24日】
阪神園芸とアンドレス・イニエスタ。この相関性、お分かりになる方、いらっしゃいます??これは、なかなか繋がらないと思う。
テレビや新聞でその姿をご覧になった皆さん、お気づきだったでしょうか。ロシアW杯スペイン代表のイニエスタがヴィッセル神戸の練習に初参加した今月20日、練習着の左袖に見慣れた社名が…。
白地に緑で確かにプリントしてあった。「阪神園芸」-。阪神ユニホームの右袖に刺しゅうしてある「Joshin(上新電機)」と同じ、いわゆるスポンサー広告である。でも、なんで??
「けっこう露出していたけど、おそらく、みんなあまり気づいてないよね。今年の4月から、ウチがいぶきの森のグラウンドをやらせて(整備)もらってるんよ」
この日、阪神園芸・甲子園施設部長の金沢健児が教えてくれた。特にスーパースター加入に合わせた…というわけではない。たまたま、このタイミングで神戸市西区のヴィッセル神戸施設「いぶきの森球技場」と縁があったというだけだ。これを機に今までサッカーとは無縁だった金沢も興味が沸き(?)、イニエスタの本拠デビュー戦をテレビ観戦したという。
「僕ら、サッカー見るのは全くの素人やけど、やっぱり、違うよなあ、イニエスタって。なんやろう…あのパス。他とは全く次元が違うのは、見てて分かるわ…」
そうなんですよ、金沢さん。分かってもらえました??って、僕が胸を張ることじゃないか…。
その競技を知らない、或いはあまり興味がない人が見ていて「面白い」と感じるかどうか。プロスポーツは興行だから、お客がそれを観るために「お金を払いたくなる」かどうか。魅(観)せる側はお金を取れるかどうか。スターとはつまりそういう者を指すのだけれど、さて、この夜の甲子園でお金を取れる選手は誰だったか。
横浜で魅せた勇ましい本塁打攻勢は影を潜め、逆に鯉の2発に沈められた虎。これでカープに6連敗。10ゲーム差をつめるには3連戦3連勝しかない。僕はそんな思いでこの日を迎えたけれど…。
「まず一つ取りたいな…」。内野守備走塁コーチの久慈照嘉は、悔しさを抑えながら前を向いた。
その久慈といえば…サッカー界のスターと縁があるのは阪神園芸だけじゃない。ロシアW杯でFIFAが「(一躍脚光を浴びた)サプライズスター」として選出したあの乾貴士からサインを求められた人…なのだ。「貴士君は阪神ファンだから。知り合いを通じて交流があってね。セクシーフットボール?彼の野洲時代でしょ。もちろん、知ってるよ。あのサッカーは見ていて面白いから」。久慈からそんな話を聞いたことがある。
05年度高校選手権で日本一になった野洲高のサッカーが、その魅せるプレーから「セクシー」と呼ばれたのは、そこそこ有名な話…。
望月惇志の剛球、俊介の巧打、糸原健斗の粘守。個の力を見れば猛虎にもセクシー(=魅力)はある。それが束になれば11差も何とかなると信じたい。=敬称略=