お前らが一番出遅れている…

 【11月12日】

 紀平梨花。世のお父さんはこの名を読めるだろうか。今度こそホンモノ。浅田真央の再来…そう呼ばれるニューヒロインがフィギュアスケート界に誕生した。

 先週末、フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦、NHK杯をテレビ観戦した。16歳の紀平(きひら)が、女子では高難度とされるトリプルアクセルを2度決め、日本勢として初めてGPシリーズのデビュー戦で初優勝。新聞の見出し風にいえば、「浅田超え」を果たしたわけだ。

 長年プロ野球に携わるオッサン記者にとって「氷上の華」は無縁の世界だけど、初見で虜になってしまった。本田真凛、宮原知子らポスト真央ちゃんの呼び声は何度か耳にしてきたが、最右翼はどうやら紀平で定着しそう。門外漢がエラそうに語る資格はないんだけど、逆に、こんなにわかファンをくぎ付けする演技者こそスターの資格あり。そんな気がする。

 ヒロインの出身は兵庫県西宮市だという。甲子園のお膝元。そう聞くだけで妙にテンションが上がるのは一部(?)阪神ファンと僕くらいか。出身中学を聞けば当方の自宅からほど近く…あまり書くとヘンなオジサンと思われる。

 ルッツやアクセル、トーループはよく知らないし、どんな演技で得点が上がるのかも分からない。だから、誰かフィギュアの選手が注目を浴びれば、技術よりも、その人となりに興味がわく。

 紀平のインタビューを聞けば、あなた高校2年生ですよねぇ…と驚かされるコメントばかり。「24時間、スケートのことを考えている」。プロ中のプロです。

 片や男子は羽生結弦が平昌五輪の後も圧巻の演技で王者に君臨しているが、羽生といえば…同い年のこの男は安芸で元気だろうか。

 「表情は明るいですよ」。そう話す後輩の原稿によれば、藤浪晋太郎は遊び感覚で新球を試すなど新しいシーズンへ試行錯誤の秋を過ごしている。矢野燿大はもう一度「大阪桐蔭の藤浪」を見たいと語っているそうだが、僕も同感。

 「あの時の顔って、やっぱりイイじゃん。全国優勝して結果も良いからこそ、ああいう顔になる。それがプロでもできるようになれば、俺はスゴいことだと思う」

 新指揮官の言葉は晋太郎の心に響いていると思う。

 そうそう。その晋太郎から春夏連覇した大阪桐蔭時代のこんなエピソードを聞いたことがある。

 「センバツで優勝して行進が終わった後、西谷監督から言われたんです。『他のチームはもう夏へ向かってスタートしている。3000数校の中で、お前らが一番出遅れているんやぞ』って…」

 こんなハッパをかける監督も監督だけど、これを意気に感じ、連覇してしまう選手も選手で半端ない。その中心で輝いたエースがこのまま終わるはずがないわけで。

 西谷理論でいえば、最下位タイガースには強みがある。3連覇のカープより10日以上早く、19年へスタートを切ったのだ。24時間…は無理としても、丸々野球漬けの秋もいいじゃない。=敬称略=

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