女子アナから学ぶこと
【2月20日】
きょうは世のオジサン達が喜ぶ(?)女子アナの話を書きたい。
母が長くNHKに勤めていたもので幼い頃はよく馬場町(ばんばちょう=当時)の大阪放送局まで遊びに行った。当時から局アナさんは身近な存在で〈免疫〉はあるつもり…なのだが、この業界で仕事をするようになってから、その方々と目を合わせるのがどうも苦手…いや、苦手と書くと語弊があるか。同じ業界のようで、やはりそうでないような華やかさ…。うまく説明できないけれど、何年経っても彼女達とうまく話せない。
ただし、例外がある。とてもフランクに、気兼ねなく、仕事の話もどうでもいい雑談もできる女子アナを2人だけ知っているのだ。
その一人は元テレビ東京のアナウンサーで、現在ヤクルト青木宣親夫人の大竹(旧姓)佐知アナ。彼女と親交をもったきっかけは面白いのでまたの別の機会に書くとして、今回はもう一人の女性アナウンサーについて触れたい。
おい、おい。水くさいな…。めちゃめちゃ幸せそうやんか。
塚本麻里衣。この度、人気お笑いコンビ「アキナ」の秋山賢太との結婚を公表した朝日放送の局アナである。彼女、青木夫人と同様で性格が超体育会系。仕事での負けん気が溢れる一方、こちらが恐縮するくらい謙虚で…。歳は一回り以上も下だけど、この業界でとても尊敬できる女性の一人だ。
「風さん、塚本に連絡してやってくれました?僕は『宜野座で阪神の方もみんな祝福してくれてるぞ!』ってLINEしましたよ」
朝日放送で塚本の先輩アナ、高野純一からそう言われたけれど、僕はまだ連絡しておりません。
塚本アナとは、彼女がルーキーの頃から面識があり、仲間うちでお酒を飲んだり、新年会をしたり愉しい思い出がいくつかある。
ざっくばらんに話ができる、とても有り難く希少な存在…なんだけど、実は一度だけ、彼女と〈口論?〉になったことがある。
14年度ドラフトで京都大学(工学部)から千葉ロッテに入団した田中英祐を巡って、彼女と意見がぶつかったのだ。僕が「経歴だけでメディアがチヤホヤし過ぎる」と先輩ヅラで見解を伝えると、塚本は「チヤホヤなんてしてませんよ。私は素直に彼に見込みがあると思いますし、視聴者もすごく彼に関心がある。だから伝えたいですし、応援していきたいんです」と毅然(きぜん)と返してきた。
今、思う。この世界で20年近く経験を重ね、分かった気になっていたなぁ…と。読者や視聴者が関心を持ち「知りたい」と望む素材を純粋に追い掛け伝えることがこちらの仕事で、僕が〈評論家〉になる必要はないのだ。当時まだ20代半ばなのに、堂々とあんなふうに語る…彼女が朝日放送で「夕方の顔」として長くそのポジションを任される所以だと思う。
初めて当欄を私的に使うけど、塚本さん、おめでとう。実は、あの時あなたから教わった伝える側の信念は、僕の取材に活きています。宜野座でこれを書いていると懐かしくなるなぁ…。=敬称略=