オフは引退してから
【3月6日】
きのう糸井嘉男の話を書いた。キャンプ中に唯一サシで話した選手なので、彼とのやりとりをもう少し紹介したい。チーム最年長は近大野球部の後輩、佐藤輝明をどんなふうに見ているのか。
同じ大学、そして、その身体能力の高さから「糸井2世」なんて呼ばれてきた佐藤だから、もちろん「本家」に取材が入る。これまで何度も同じような質問を受けただろうけど、あらためて聞かせてもらえたら。
後輩のことばかり聞かれる?
糸井「そうですね…。でも、別にいいですよ」
では、単刀直入に…
あなた一流の目で見て、彼は本物??プロで一流になれる?
糸井「それは僕の立場で言うことじゃないですけど、将来性というか…。もう、魅力しかないですね。バッティング以外のことも含めてね」
魅力しか…これ以上の評価はない。では、もう一つ。部外者のオッサン記者の目には、佐藤は新人らしからぬ、いい意味でマイペースなツワモノに映るんだけど?
糸井「そうだと思いますよ」
かつての大物でいえば、松井秀喜がマイペースの象徴?のように言われたけれど、もし佐藤もそうなら有望。そもそも、超人・糸井嘉男もマイペースだもんね?
糸井「そうですかね?でも、それってある意味、『お前、自己チューだよな』って言っているようなもんですよ(笑)」
そう?でも、プロ野球で一流を目指すなら、それでいいのでは?チームワークを乱す類は良くないけれど、遠慮なんてしていたら、やってられない商売でしょ。
糸井「ま、そうですけどね」
これまで毎年キャンプ中に少し長めに糸井の取材をさせてもらってきた。今年は制限もあって難しいかな…と思っていたけれど、そこは律儀な男。「何でも答えますよ」と、丁寧に応じてくれた。
今年も第一線の土俵で戦う限り主役を張る心づもりだろう。当然ながら、オフも練習漬けだった…そんな話が僕の耳にも届く。
糸井「これも高田さんから言われたことなんですけど、『君のオフは引退してからだよ。これから毎年、シーズンオフになっても君にはオフはない。それくらいの気持ちでやらないと、ピッチャーから野手に転向して成功なんてしないから』と…。それが、ず~っと僕の頭の中にあるんですよ」
日本ハム時代、野手転向を後押ししてくれた高田繁GM(当時)の叱咤激励である。
「このええ話、どこにも言うたことないですよ(笑)」
糸井は冗談めかしたけれど、満身創痍の39歳は、冗談ではなく、このオフもオフはなかった。だから、自身最速の実戦解禁であれ、のっけから結果は出るのだ。
佐藤が練習の虫であることも周辺取材でよく聞く。そういう意味でも「糸井2世」はその通り。
君のオフは引退してから-。
糸井がずっと原動力にしてきたこの「金言」を佐藤が継承すれば無双の予感が漂う。=敬称略=
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