ヘッドコーチ平田との雑談

 【7月9日】

 ヘッドコーチの平田勝男とばったり会った。兵庫・芦屋の某所である。ラフなスタイルの平田に背後から声をかけると、驚いた顔で「お~っ、風か!ビックリするやないか!」

 ヘッドはどちらへ?

 「整骨院だよ。最近ずっと腰が痛くてな…」

 僕も「腰痛持ち」ですし、その辛さ分かりますよ。

 しばらく並んで歩きながら、ああだこうだと野球談議に花を咲かせたわけだけど、もちろん、球場で取材するよりもフランクなトークに…。私服姿の雑談を即「字にする」スタンスはないのだけど、ひとつだけ…。

 「巨人、ここからくるぞ」

 平田はそう言っていた。

 「くるぞ」とはもちろん、オールスター明けの後半戦で阪神にとって手ごわい相手になるということ…。そういえば岡田彰布が開幕前に語っていた。

 「巨人は2年連続Bクラス。監督も代わって、今年は90周年の節目。今年はやってくると思うよ」

 昨季は対戦成績18勝6敗1分けと巨人を圧倒した。それでも岡田は「去年は勝ち過ぎ。そんなに力の差はないよ」と警戒していた。

 巨人は最近10試合で7勝3敗。この夜、広島との接戦を制して首位に立った。離されたくない阪神は序盤から重い展開になったが、最後はサヨナラ勝利で3連勝。ヤクルトの失策につけこんだ劇的な幕切れだった。

 やはり、ミスをすれば星が逃げる。

この団子状態のセ・リーグにおいては夏場以降の勝負所でいかにミスを防げるか。それが鍵になることは言うまでもない。もちろん攻守両面で。

 ①ヤクルト・851

 ②広島・830

 ③阪神・787

 ④中日・784

 ⑤巨人・736

 ⑥DeNA・689

 この数字は今季セ・リーグの犠打成功率(9日の試合前まで)である。

 投手戦の火曜日に楽な試合はない。だからこそ敢えて書くが、スコアレスの三回無死の戦況で犠打を決めたかった。ヒットの小幡竜平を一塁に置いて才木浩人が送りバントを失敗。岡田はベンチで渋い顔をしていた。

 才木は、しかし、1点を追う五回1死一塁の場面ではしっかりバントを決めた。ここで三振した近本光司が最終回にヒーローになるドラマが待っていたわけだけど、この日は、八回にも中野拓夢がバントを成功。結果としてスコアボードに0を8つ並べたが、やはり「流れ」を呼ぶ気運は大切。2試合連続のサヨナラはあっぱれだ。

 「めでたい」といえば、虎党の間宮祥太朗が自身の公式サイトで結婚を発表した。実は…縁あって間宮とテーブルを囲んだことがある。私服姿の雑談を即字にするスタンスはないけれど、数年前の話なので締めに少しだけ…。

 幼少時代の彼は、巨人ファンの祖父を見て「俺は常勝軍よりも…」と、阪神のことが好きになったと聞いた。

 関東で育った野球少年がそんな男気を…。Gが5連勝を飾った夜。平田同様、間宮も「敵は巨人」と踏んでいるだろうか。=敬称略=

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